内部監査

あなたの組織の観察事項は「是正要求付き」ですか?

昨日ブログに掲載した内容について、4人(仔豚さん、立花さん、俊ちゃん、え゛…iso??さん)の方からコメントをいただきました。内容を読ませていただき、これはぜひ編集せねばと思い、下図のように4人の方のコメントをまとめてみました。今回このように多彩なコメントが集まったのは、艦長の「いそいそフォーラム」への投稿と立花さんのTwitterの効果が大だったと推測しています。艦長、立花さん、今後ともコラボよろしく!

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「内部監査に観察事項は必要ですか?」というテーマに対して、「不要論」を唱えた方 は皆無。実際に観察事項を内部監査で「使っていない」とされた方は、今回のコメントの中では出てきませんでしたが、私が群馬の講演で参加者に聞いたとこ ろ、約半数が使っていないとのことでした。

「必要論」については、え゛…iso??さんは、私が疑問に感じている「被監査側の自由裁量」にポイントがあるのではなく、観察事項の意義は、不適合 には該当しないが指摘すべき事項を指摘できるようにすることにあるとしています。俊ちゃんは、成熟度アップのためにはじゃんじゃん観察事項を提示すべきだ と述べておられます。立花さんはフテキゴー回避のための便利なものだから、絶対観察事項は内部監査に必要だ!と、観察事項の効果を強調。

一方、観察事項の使い方については、え゛…iso??さんは、観察事項で指摘をする3つの場合を挙げ、これをやらなければ内部監査の価値が低下するとしています。仔豚さんは、良くないけど適合であった場合は、観察事項と判定し、悪いものは是正が必要としています。

また、仔豚さんは一方で、シロート監査員の暴発予防や、「不適合」という用語に対する拒絶反応の緩和に「観察事項」が効果を持っているとしておられ、これは立花さんの効果論と共通性があります。

立花さんは一方で、事務局時代に一番効果があったのは、不適合指摘でも観察事項でもなくて、ヒソヒソとお願いしたことだと述べておられます。

【みなさんのコメントをお聞きして】

(基調的な考え方)
一口に「観察事項」と言っても、組織でとらえ方が違う中で、「中身は良くないことなのだが、ルール上不適合とは言えないので、監査事項として指摘し、何ら かの処置を求める」という使い方をしている組織は、内部監査の価値を高めるものとして観察事項を評価している。また、観察事項には、不適合指摘と違った潤 滑油的な効果もある。

(是正要求があるなら観察事項に大きな価値)
ルールにはないことだけれども、明らかに良くないことが起きているので、それを観察事項として指摘し、何らかの処置を要求するとします。そのとき、きちん とした是正処置要求を行うとするなら、ルールの見直しや、もっとリスクをきちんと吸い上げる仕組みへの再構築などにつながり、それは俊ちゃんの言うところ の成熟度アップになるものとして大きな価値があると思います。

(是正要求がない観察事項の価値は?)
上記は、「是正要求付き観察事項」ですが、一方で是正要求がない、ごくフツーの観察事項には、潤滑油的効果以外に、システムの改善につながるようなものが あるのでしょうか。私が言ってる「被監査側の自由裁量に任されている観察事項」は、是正要求が付かない観察事項のことです。「いや、そんな観察事項なん て、ほとんどないよ」というのでしたら、私もすっきりするのですが。

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コメント

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  • コメント (4)

    • 立花祐一(偽名)
    • 2011年 4月 30日

    >上記は、「是正要求付き観察事項」ですが、一方で是正要求がない、ごくフツーの観察事項には、潤滑油的効果以外に、システムの改善につながるようなものがあるのでしょうか。
     マジRESで恐縮ですが、ごくフツーの観察事項であれ、ありがたいセンセイのお言葉であれ、すれ違った犬がハアハアと息をする音であれ、何かに役立てようという意思があればいずれも何かの役には立つと思います。
     昔々の大昔、いそいその艦長(館長ではなく”艦長”)はこのことを、アイソスのデビュー記事の中で「人と接すれば必ず”正の参考”か”負の参考”になる」と表現していましたね。 これを立花センセイ風に表現すると・・・
       お魚さんがオーブンの中で自ら寝返りを打たないと、そのお魚はコンガリとは焼けない。
    …となります。(意味不明)
     以上、脱線RESでしたぁ。 本線のRESはいずれまた。

    • 中尾優作
    • 2011年 4月 30日

    <(館長ではなく”艦長”)
    失礼! すぐに訂正させていただきましたあっ!
    <お魚さんがオーブンの中で自ら寝返りを打たないと、そのお魚はコンガリとは焼けない。
    ちょっと痛々しいけど、雰囲気は何となく分かりました。

    • え゛…iso??
    • 2011年 5月 02日

    リクエストにおこたえして ^^
    まずは「訂正」から ・・・
    >観察事項の使い方については、え゛…iso??さんは、観察事項でも処置を求めることがある状況を3つ挙げ ・・・ (以下略)
    私が書いたのは『我が家では、以下の三つの場合に、「観察事項」で指摘をすることにしています。』ということで、「処置を求める三つの場合」ではなく「観察事項で指摘をする三つの場合」ということです。
    観察事項の場合、被監査部署に「処置をする義務」はない ・・・ これは我が家も同じです。観察事項でも特殊な場合には是正処置を求める ・・・ というような運用はしていません。但し、我が家の場合、大半の部署が、観察事項に対しても処置を実施しているという「事実」はあるのですが。(この点については後述)
    で、ご指摘の「是正要求のない観察事項の価値は?」についてですが ・・・ あくまで内部監査に限定して私の考え方を述べてみます。
    (1)そもそも観察事項に是正要求はできない
     不適合は、基準・ルールという「組織が定めたものからの逸脱」という「事実」です。従って、逸脱した現状を正すにせよ、現状からずれた基準・ルールを正すにせよ、なんらかの是正を行うことは「組織の一員としての義務」です。監査員に是正を要求する権限があるというより、被監査部署に是正をする責任がある事項が「不適合」ということです。
    それに対して、観察事項は、例えば「放置すれば不適合に転化する可能性を含む事実」(現時点では基準をクリアしているが低下傾向)や「不適合として扱うことが望ましい不具合」(現時点では該当するルールがないが克服すべき不具合)等々の「監査員が判断した可能性や望ましいこと」です。この場合、被監査部署が負うのは「それを是正する必要があるか否か」を検討することであって、その結果「当面必要なし」と判断した場合、是正をする義務はありません。監査員が「可能性がある」とか「望ましい」と判断したことであっても、マネジメントラインの判断は異なる場合がある ・・・ これは当然のことであり、その際、マネジメントラインの判断が優先されるべきであることも言うまでもないと思います。
    (2)即「治療」に活用されなくとも「診断」には価値がある
     
    それでは、何らかの是正がされない「観察」指摘には価値がないのか ・・・ そんなことはありません。監査員が異なる視点から発見した「可能性」や「望ましい」ことについての情報提供は、第一に、被監査部署の視野を広げます。いますぐ体重を落とすことはできない(他に優先的にやらなければならないことがある)としても、自分が太りすぎているということを知っておくことには意味があると思います。
    第二に、仮にその時点では是正に連動しなくても、例えば他の部署の監査や次回の監査で同様の指摘がされる等、他の情報と結合することで、是正のきっかけとなることが考えられます。「是正義務の無い指摘は書いても仕方がない」ということで文章にしていなければこのようなことにはつながりません。
    第三に、トップマネジメントにとっては、そのような情報が数多く得られることは組織の現状を把握する上で有効な手段の一つとなりうるものであると思います。
    (3)是正義務はないが検討義務は求めることが大切
     で、そのような観察事項を有効に活用するためには、被監査部署の「検討義務」について、ルール上も運用上も明確にすることが重要だと考えます。「○○という指摘について、△△の理由により、当面経過観察とする」等の「マネジメントラインとしての指摘に対する考え方」を(それについての決定権限はマネジメントラインにあることを前提に)明確にしてもらうこと。そして、指摘に対する是正の一覧だけでなく、観察事項に対するこれらの「検討状況」についても一覧にまとめ、トップマネジメント及びマネジャー集団が内容を把握できるようにすること ・・・ これができるようになれば、観察事項の指摘は極めて有用な情報源となると考えます。組織が抱える問題とそれに対する組織の対処のあり方について検討するための絶好の情報がそこには含まれているからです。
     我が家の「観察事項」の大半が「何らかの是正が実施される」のも、このような取組みの反映であると考えています。
    以上、とりあえず思いつくままに。

    • 中尾優作
    • 2011年 5月 04日

    <私が書いたのは『我が家では、以下の三つの場合に、「観察事項」で指摘をすることにしています。』ということで、「処置を求める三つの場合」ではなく「観察事項で指摘をする三つの場合」ということです。
    失礼しました。私の読み間違いでした。文と図を訂正しておきました。
    「是正要求のない観察事項の価値は?」についてご回答いただいた3つの内容については、自分に足りない観点を与えていただきました。
    (1)については、「監査員に是正を要求する権限があるというより、被監査部署に是正をする責任がある事項が「不適合」ということ」や、「マネジメントラインの判断が優先されるべき」といった視点が、私には不足していたようです。(3)の「観察事項を有効に活用するためには、被監査部署の「検討義務」について、ルール上も運用上も明確にすることが重要」というのは、ほんとにそうだと思いました。

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