JAB

速報 JAB/ISO 9001公開討論会(2009)

財団法人日本適合性認定協会(JAB)主催による「第16回 JAB/ISO9001公開討論会」が3月15日、東京ビッグサイト国際会議場で開催された。今回のテーマは「ISO 9001認証の社会的意義と責任」。この公開討論会では2年前から「社会制度としてのISO 9001認証」について議論を続けており、第14回は「ISO 9001認証について考える」、第15回は「審査を変える 〜QMS認証の価値向上〜」で、今回はシリーズ第3弾になる。プログラムは、主催者挨拶、基調講演、今回のテーマについて3つのワーキンググループ(WG)が1年間かけて議論した内容のWG主査による発表、パネルディスカッションという内容である。

井口新一さん:主催者挨拶
審査にコンサル要望が38%、もっと制度説 明が必要かも

221-100315izuchi.jpg冒頭、主催者を代表して井口新一さん(JAB専務理事)が挨拶。まず、世界及び日本におけ るISO 9001の認証件数の推移を報告。ISOサーベイが発表している数値とJAB発表数値との食い違いについては調査中とのこと。ISOサーベイによると、 2008年の年間ISO 9001登録減少数の国別件数のトップは日本である。また、JABが行ったアンケート調査によると、「認証取得の目的」においては、前年1位だった「自社 品質管理システムの基盤構築」が減少する一方で、「製品・サービスの質向上」が伸びており、「組織の意識が基盤構築から質向上へ変わってきているのではな いか」とのこと。さらに同アンケートの「組織が望む認証審査と満足度」の項目においては、「文書・記録など規格への適合性を主体に審査」については満足度 は非常に高いが、要望は非常に低い。一方、「システムの課題を気づかせる審査」などについては要望は高いが満足度は低いという結果が出ている。特に気に なったのは、要望の中で「不適合に対するコンサルティングや改善のためのアドバイスをくれる審査」が37.8%もあり、これについては第三者適合性評価制 度がどういうものであるかについての説明がもっと必要ではないかとしている。

飯塚悦功さん:基調講演
「組織による 実証」を認証機関が評価する共同研究的審査を提案

222-100315iizuka.jpg続いて、飯塚悦功さん(東京大学大学院特任教授)が今回のテーマについて基調講演。まず、 ISO 9001とQMS認証制度を定義し、ISO 900には「ISO 9001 QMSモデル」+「QMS認証制度」という2つの側面があることを確認した。特に「認証制度とは能力証明(QMS運用の妥当性の証明、認証結果の利用)で ある」という飯塚定義は重要で、この考え方がもとになって各WGの議論が展開されている。このあとQMSモデルと認証制度の意義と期待を述べ、認証制度の ビジネスモデルについて「質の良い審査をする認証機関が発展するような制度運営構造になっていない」点を指摘。例えば顧客が組織の審査料を支払うのなら、 しっかり審査しないと顧客が怒り出すだろうが、審査料は組織が支払う構造になっている。また、組織による認証機関の評価については、昔ある雑誌社がアン ケートを取ったけれども、その結果を見ると、我々が評価していた機関は下位であった(これ、アイソスによる審査機関格付け調査のこと、たぶん)。
最後に「適合とは何か」について確認。JIS Q 17021:2007の4.4.2では、「認証機関は、審査結果に基づいて、適合の十分な証拠がある場合には認証の授与を決定し、又は、十分な適合の証拠 がない場合には証拠を授与しない決定をする」とある。つまり適合していることが実証されれば「適合」であり、実証できなければ「不適合」である。組織自身 による適合の実証という観点から、審査の基本的な枠組みを再考すべきである。組織が(不適合が見つからないように)守り、認証組織が(QMSのあら探しを するような)攻めるタイプの審査から脱却し、「組織による実証」を認証機関が評価する共同研究的(認証制度の共通目的追求型)審査を目指すべきであるとし た。
なお、ここで提示された4.4.2の規格文は、今回の討論の起点となっており、このあとに続く各WG主査の発表でも何度も引用されている。

このあと JAB/ISO 9001研究会の3つのWGの各主査による報告が行われた。

加藤芳幸さん:WG1「求められるQMS能力 〜QMS運営能力を有していると判断するための審査〜」
適合情報が不足している場合は「不適合」とす べし

5998-100315katou.jpgWG1の発表者は加藤芳幸さん(財団法人日本規格協会名古屋支部事務局長)では、まず ISO 9001 QMSモデルの意図を確認してから、あるべき認証審査について議論を行った。QMSモデルの意図は、ISO 9001:2008の1.1のa)、b)に記述されているように、要求事項に適合した製品を一貫して提供することと、顧客満足向上を効果的に実践し継続的 に改善することの2点である。審査では、この2点が達成されているかどうかをみている。また、顧客等の認証を利用する側では、認証組織というのは、 2009年8月に発行された「IAF-ISO共同コミュニケ」の中の「認証組織とは次のような組織であると期待している」というB〜Iまでの8項目が実現 されている組織であるとみている。
続いて、あるべき認証審査について。まず審査の目的は何かというと、「登録の有効期限内においてISO 9001の1.1 a) b)を達成できる能力が組織のQMSという仕組みにあることを証明する」こととした。審査ではもちろん、表層の見えることしか観察できないが、その背景に あるQMS能力についても評価しなければならない。また、認証審査の評価原則として次の2点を挙げている。
原則1:形式的に要求事項を満たして も、ISO 9001 1.1を達成するQMS能力に疑念があれば不適合とする。
原則2:十分な証拠によって、ISO 9001 1.1を達成し続ける能力があると確認できる場合に適合と判断する。適合と判断できる情報が不足している場合は不適合(適合の評価をすることなく、不適合 がないことのみをもって適合と評価することはできない)とする。
いずれの原則もJIS Q 17021:2007がベースになっている。
ま た、QMS能力評価を行うための方法については、前述したIAF-ISO共同コミュニケのB〜Iまでの8項目を縦軸に、組織機能(企画、設計、購買、製 造・・・)を横軸にとったマトリックスの手法が提案され、自動車部品会社の活用事例も紹介された。
最後にWG1からの提案として、認証機関に対し ては、産業分野ごとのQMS能力をまとめることと、サンプリング計画についての議論を深めることが提案され、審査員評価登録機関(JRCAなど)及び研修 機関には、審査員の力量評価の観点を「不適合の検出」から「適合の確認」へと変換することを求めた。

平林良人さん:WG2「認証付与の判断基準 〜認証機関によるISO 9001適合の判定〜」
顧客要請があれば認証審査情報を開示したい

5991-100315hirabayashi.jpgWG2の発表者は平林良人さん(株式会社テクノファ社長)。このWGでも、前述したJIS Q 170214.4.2の確認が行われている。4.4.2には「十分な適合の証拠がない場合には認証を授与しない決定をする」と書かれているのに、実際の審 査の場では、適合でない証拠がない場合は、二重否定ということで「適合」にする、というロジックになっていたとして、これまでの適合の判定に疑問を投げか けた。
また、認証付与の判断基準における現在の問題点を4つ掲げ、その対策を提案している。
(1)審査の適合/不適合を判定する評価者 に、適合への十分な証拠といえる資料が提供されていないのではないか。
対策案:審査で何を見たかを、審査計画書などで可視化する。プロセスのつな がりを可視化する。審査ストーリーを作成して可視化する(前述のIAF-ISO共同コミュニケのB〜Iはaudit trailとして使える)。
(2) 評価者が適合への証拠を評価する十分な能力を持っていないのではないか。
対策案:十分な力量を持っている人が業務を遂行する。このときに一番重要 なことは、知識ではなくて正義感である。
(3)組織の認証状態に関する適切な情報公開が行われていないのではないか。
対策案:WG2とし ては、被認証組織の顧客、利害関係者から要請があった場合は認証審査情報を開示することを提案している。具体的な公開対象は、審査報告書、適合判断した所 見、審査計画書など。
(4)組織が不祥事を起こすことに対して十分な対応ができていないのではないか。
対策案:社会的な不祥事は、マネジ メントシステムに常態化した不適合がある可能性が高いので、まずは認証機関は認証の一時停止を行うか、何らかの警告を与え、そのあと特別審査を実施し、 「適合に十分な証拠がある」とは言えない場合は、認証を取り消す。

古泉 功さん:WG3「組織によるISO 9001適合の実証 〜組織自らによる能力の実証とそのメリット〜」
組織による実証のメリットは大きい

5992-100315koizumi.jpgWG3は、組織側からの視点での発表で、スピーカーは古泉功さん(インクリメントP株式会 社品質管理室プロセス管理部品質企画グループマネージャー)。基調講演の中で「組織による実証を認証機関が評価する共同研究的審査」が提案されたが、ではその「組織による実証」をどのようにすればよいか。WG3 はこのテーマに取り組んだ。
まず、誰が実証するのか? これについては、審査員・監査員が顧客の代行として行うとともに、組織自身が実証する(職 位・職責に応じてファシリテートする)。何を実証するのか? 実証すべきことは、QMSの設計(P・A)、運用(D)、評価(C)の3つである。どのよう に実証するのか? 組織の運用状況を総合的に把握するには内部監査手法が打ってつけであり、その内部監査で実証されたことは、顧客・社会に対しても実証可 能となるとしている。これについては、某メーカーの内部監査事例で解説が行われた。誰に対しての実証か? ISO 9001では、デモンストレートする責任は組織にあり、デモンストレートする相手は顧客あるいはその代わりとしての認証機関である。一方、ISO/IEC 17021では、組織がデモンストレートした内容を認証機関が審査して、その結果を組織の顧客市場や社会に開示することである。
最後に、審査報 告書の内容を業界内で共通化することなどのメリットを述べ、「公開することはコミットすることであり、社会に開示することでブランド確立が短期間でできる ことになると思う。早く公開した者勝ちではないだろうか?」と締めくくった。

225-100315panellers.jpgこのあとパネルディスカッションへ。コーディネーターは飯塚さん。パネリストは、前出の加 藤さん、平林さん、古泉さんに加え、小林久貴さん(株式会社小林経営研究所)、伴野道彦さん(財団法人防衛調達基盤整備協会システム審査センター)、勝俣 宏行さん(日本検査キューエイ株式会社)、久保真さん(JAB)。公開討論会に先立ち、JABはウェブサイトに今回の討論資料を掲示し、その内容に対する 質問を募集した。質問は21本集まり、パネルディスカッションは、それらの質問にパネリストが回答するという形で進められた。今回の質疑応答はすべて、後 日JABのウェブサイトに公開される予定である。ここでは、個人的に重要と感じたものを抜粋して以下報告する。なお、質問ごとに付いているスライドの番号 は、JABのウェブサイトで公開されている討議資料のスライドの番号である。その資料はこちらから入手できる。

質問1 基調講演・スライド12に関して
「審査そのものが学習・成長の機会になるとはどういうことか?」

回答者:飯塚
ISO 9001は、モデルと制度の2つがあり、モデルそのものを理解することは、システムそのものを良くしていく要素が入っており、「学習・成長」の機会になると思う。QMSを良くしようとする中で、気づきなどもあるだろう。審査そのものをいい形にして、審査を受 けている側にも気づきがあるようにしたいという意味で言った。そのためには、組織側も自分たちがしっかりやっていることを実証しなければならない。また、 こういうふうな審査したいということで、審査側からはお題を出さない といけない。そうすると組織側も、こういう側面を実証すればいいの か、ということが分かる。だから審査する側、される側にとって「学習・成長」の機会となる。

質問2 基調講演・スライド 13に関して
「認証機関の格付けとその公開を検討してはどうか?」

回答者:飯塚
情報公開は大事であり、これは認 証審査だけでなく、認定審査についても同様に必要であると思う。
しかし、格付け評価についてはどうかなと思う。どういうふうに格付けをするのかを まず検討しなければならないだろう。まずは、どういう状況で認定・認証しているかということを所見として公開したほうがいいのではないか。

回答者:久保
認定機関の審査報告書については、公開を前提に現在認証機関と話し合っている段階。ただ、公開情報によってはネガティブキャンペーンを 張られる不安もある。

回答者:平林
質の良い審査という場合、「質の良い」という意味がかなりばらついているのではないか。審査料 金が安い、早くて簡単にとれる、というのも組織によっては「質の良い」という範囲に入ってくる場合もある。認証が社会に評価されて広がっていくようになっ ていくのが「質の良い審査」であってほしい。

質問4 基調講演・スライド20に関して
「組織による実証の中に出て くる共同研究的とはどういう意味か?」

回答者:飯塚
審査で、聞かれないことは答えない、余計なことは言わない、聞かれた ことだけを最低限に答える、そういった逃げ回る審査ではなくて、自分が能力があることを証明していく、それが「組織による実証」だ。そのためには審査側 も、例えば、「このシステム要素については、こんな能力も求められているのですが、これをあなたのところでできているということを話してもらえません か?」というように「お題」を出してもいいのではないかと思っている。

回答者:勝俣
更新審査の際には、組織に対して「この3年間 改善した実績を見せてください」という言い方をしている。審査が始まる前にこのように言うと、みなさん話してくれる。

質問 5 基調講演に関して
「登録件数が増加していない。ISOは使い方次第で企業に本当に役立つことをもっとPRしてほしい。現在のような登録件数の 下降傾向では日本の産業競争力は高まらない」

回答者:飯塚
2000年版発行以降、ISO 9000の有効活用については綿々と議論をし、発表したり、書いたりしてきたが、まだ力が足りなかったのだろう。ただ、ISO 9001は買い手のための規格なので、組織がやはり自分でどう使うかということを考えないと競争力はつかない。ただ、基礎力をつけるという意味では役立つ かもしれない。また私は、認証数だけを気にするよりも、必要な数に達しているかという観点でみている。

回答者:久保
認証数の減少 については、もっと取り組む必要があると思っている。1つは、この制度の利用者(購買者・一般消費者)に対してのPR活動が十分でないと認識しているの で、経産省のガイドラインにもあるように、利用者に正しく認識してもらうために、広報活動をもっとやらなければならない。

会場からの発言:質問5の質問者本人
ISOがすばらしいのになぜ伸びないのかが残念。本当の価値、潜在的な価値というのをもっとPRして欲しいと思う。自律的 に改善できる仕組みなので、中小企業にもっと普及して欲しいと思う。例えば中小企業が全部取れば、日本はきっと発展すると思う。

回答者: 飯塚
産業競争力という点では、ISO 9001よりも、TQMという日本にはもっとすばらしいものがある。そっちのほうをやったほうが圧倒的に日本の産業競争力は上がると思う。

質問7 WG1・スライド12/13/14に関して
「情報不足を不適合とするのは疑問だ。情報不足している場合は、監査打ち切り等の対処がJIS Q 19011 6.5.2に書かれてあるので、そのように対応すべきだと思う」

回答者:小林
審査側はベストをつくして、 適合証拠を集める。組織側にわざと見せないといったことがあれば打ち切りになるが、お互いに集めていこうという姿勢があれば、情報不足ということは起こら ない。

回答者:加藤
目的を達成するにはどうすればいいのかという考え方と、規格にこのように書かれているから対応するという考え 方とでは、アプローチが違う。規格に書いてあることから攻めていくのは、いかがかなと思う。情報不足を、審査員の独断的な思い込みと言ったつもりはない。 組織に対して、客観的な情報を出して合意をとるというのが、不適合をとる場合は大前提になる。

会場からの発言:質問7の質問者本人
被審査側が適合していることを実証できない場合は「不適合」であると理解した。

質問8 WG1・スライド12/13に関して
「組織側からすると、疑念だけで不適合とされてはたまったものではない」

回答者:伴野
審査で情報が不足するというのはよくあるが、本当に出てこない場合は不適合になる。

回答者:勝俣
審査後は、審査 チームで日毎会議を行い、そこで未確認事項を抽出し、集めた情報を確認する。未確認事項については、確認することを決める。未確認のまま、適合/不適合を 出すということはないと思う。

回答者:古泉
不適合の指摘を受けたからといって、組織側はそのまま黙っていてはいけないと思う。

質問9 WG1・スライド18/19に関して
「審査員の大きなバラツキが懸念される」

回答者:小林
バラツキは努力 と工夫である程度おさえることはできる。業種ごとにモデルを確立することもそうで、事例発表にもあったように、自動車産業にもモデルはある。業界によっ て、標準モデルはできると思う。

回答者:平林
IAF-ISO共同コミュニケが大きな意味での目の付け所として8項目(B〜I)を 出しているが、全認証機関がこの8項目をベースに審査をすれば、むしろばらつかないのではないかと思う。

回答者:古泉
審査を受け ていて、ばらつきを感じる時がある。その時は認証機関にこういうバラツキがあるので直してほしいと言っている。すると、認証機関側も改善してくれている。

回答者:飯塚
(古泉さんの回答を受けて)そういった組織と認証機関とのやり取りが「共同研究的」でもあるわけだ。

質 問10 WG1・スライド19に関して
「審査員の業種専門性を厳しくすることで、あるべき姿を想定した審査ができるようになるか?」

回 答者:小林
業種専門性というのは、審査の現場に入って、すばやくその業種のあるべきQMSの特徴を理解できる能力のことだと思う。そういう意味 で、業種専門性を理解してほしい。

質問15 WG2・スライド17/18/19に関して
「要求事項のつながりは認 証機関又は審査員が勝手にやることになるのか? そうであれば、バラツキが心配だ」

回答者:平林
要求事項のつながり方を 把握する仕方、これは認証機関のオリジナルなノウハウだと思う。これはすでにやっておられる機関もあるだろう。

回答者:勝俣
2000 年版以降はプロセス型審査になっているので、それはどの機関もやっていることだと思う。

回答者:飯塚
要求事項のつながりのモデル を各審査機関がもっていれば、審査効率もあがる。この要求事項がダメなら、それとつながるこちらの事項も問題ではないかとすぐに分かるから。

質 問16 WG2・スライド28
「審査内容の公開の対象に、認証審査の是正処置、ISO 9001要求事項の要素も含めてほしい」

回 答者:伴野
航空宇宙のセクター規格では、顧客が要求すれば、不適合や是正処置の内容もすべて見せなければならない。それについては、あらかじめ組 織と審査機関とで了解をとっている。

回答者:平林
WG2では、「審査結果は受審組織と認証機関が公開を了承すれば公開する」と提 案している。ただ、まずは審査報告書の公開が先だ。

回答者:久保
先日、この問題について検討会をやったが、組織側からは積極的に 出すべきだという声が強かったが、認証機関側は組織のことを慮ってか、あまり積極的ではなかった。

回答者:勝俣
認証機関としては 反対したが、組織自らが公開したいということであれば賛成だ。

回答者:伴野
不適合を公開すると、どの認証機関がどれだけ不適合を 出しているかが分かるようになるが、たくさん不適合を出している機関と、1件も不適合を出していない機関とがあると、組織はどちらを選ぶのだろうか?

質 問17 WG3・スライド13
「トップインタビューを、顧客の代行として審査対象にすることはできないか?」

回答者:勝俣
いい提案だと思う。当機関もマネジメント層に関心をもってもらうために取り組んでいるが、あまり効果をあげていない。審査計画の中に組織側のそ のような要望を入れてもらうというのは、やってみてもよいと思う。

質問18 WG3・スライド10/11
「スライドで言っているISO活動はどの程度のことなのか? 当社ではISO活動は経営管理活動の一部であり、内部監 査では経営者が抜き打ちで監査現場に出向き、同席監査などをしている」

回答者:古泉
認証維持をクリアする程度の活 動という意味で使っている。ご提案いただいたやリ方は、非常にいいやり方だと思う。

質問19 WG3・スライド13
「毎 月顧客の監査があるのに、それに加えて審査員に顧客の代行として審査されると、やっかいなことが増える。顧客のようにあまり細かいことを言わないのが、認 証機関の良いところなのだが」

回答者:勝俣
組織共通のQMSはISO 9001で認証機関にみてもらえばよく、固有のQMSについては顧客にみてもらえばいいということなのだが。

質問20  WG3・スライド16/20
「もう少し組織にフィットした分かりやすい表現にして、ISO 9001
の本質が理解できるものにしてほしい。日本の高い品質の製品を作り出す仕組みが、ISO 9001の制度で後退したのではないか?」

回答者:古泉
なるべく皆様に理解いただけるように話したつもりなのだ が・・・。ISO 9001と品質活動は両立すると思う。ISO 9001の制度ができたから品質落ちたとは思わない。ただ、審査員任せではだめだ。ISOを最大限生かせるように努力されてはどうかと思う。

質 問21 WG3・スライド25〜29
「内部監査くらいの実証では信頼できない。特に当社のような中小企業では、信頼性が低く、実証の効果がほとん どないと思うが?」

回答者:古泉
内部監査や審査の議事録を全社に見えるようにしてしまうと、「あいつ、あんなウソついて る」とか、「あの人の判断はああいうことなんだ」とかいったリアクションが社内に出てくる。中小規模の組織でも、内部監査や第三者審査に有効に取り組むこ とで、効果が挙げることができると思う。ウェブで公開されている情報をみてもらっても、中小企業でうまくやっておられるところがあるので、そういう情報を うまく使ってほしい。

規定の質疑応答を終えてからの会場からの質問:
「審査機関が、業種別にモデルを作成して対応 するという話があったが、それを公開してもらうことはできないか」

回答者:飯塚
ここで、それに答えることはできないが、 その方向で進んでいると思う。「共同研究的」にやろうとすれば、自分たちがやっていることを開示したほうが、やりやすいのだから。

以上で パネルディスカッションは終了し、散会となった。

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