第二者監査

LRQA主催の二者監査セミナー(初日)

20130708okumura.jpgLRQAジャパン主催による二者監査セミナー「サプライチェーンマネジメント 〜二者監査の活用」が7月8・9日の2日間、東京で開催。講師は、LRQAジャパン主任審査員・奥村朋子氏(写真)。同セミナーは、組織の品質保証部門、購買部門、サプライヤー監査関係者などを主な対象としており、サプライヤーマネジメントツールの1つとして、合理的で効果的な二者監査手法を演習を通じて体系的に理解してもらうのが狙い。

研修初日は9:20〜17:00まで実施された。冒頭、講師による自己紹介、今回の研修の狙い、研修参加者の自己紹介が行われたあと、「なぜ二者監査なのか」をテーマに講義。奥村氏は、「近年、日本の製造業は国内は設計と営業がメインで、モノづくりは海外で展開するようになり、グローバル購買の様相を呈している。また、日本は高品質なものは作れるが、低コストでそこそこの品質のものは作れない状況になっている。グローバルな視点で、顧客として、供給者に求めている品質が確実に提供されているかを、供給者側から提供される文書やデータをそのまま鵜呑みにするのではなく、実際に監査で見に行って、把握する力量が求められている。今回のセミナーでは演習を通じて、二者監査技法を体系的に習得していただきたい」と述べた。このあと参加者は2つのグループに分かれ、リーダーを一人決め、「二者監査は、誰が何のために行うのか」について議論し、その結果をリーダーが発表した。続いて、監査の定義、注意点などについて講師が解説、「二者監査は、顧客として、サプライヤーが安心して発注できる相手かどうかを確認するために行うもので、費用は顧客側が担う。特に注意したいのは、今現在、サプライヤーが何ができており、何ができていないかを見ること。数年前とは組織の状態ががらりと変わっている場合があるので、過去の状況から判断してはならない」と述べた。

演習「サプライヤーがサプライヤーでなくなる日」
講師から、顧客とサプライヤーとの間で起きた問題事象が記述されたペーパーが提供され、参加者は、その文書の中にどんな問題点が含まれているかを個人で読 んで見つけ出す(20分間)。そのあと、2つのグループに分かれて、問題点について議論を行い、それぞれのリーダーが議論の内容を発表。
続いて、サプライヤー管理の問題点について、講師は「どこから買うかを決める場面」「管理すべき事項を決める場面」「要求仕様を決める場面」「受け入れ検査の場面」という4つの観点から解説した。

講義と演習「サプライヤーから提出された資料から何を読み取るか?」
午 後の部に入り、「サプライヤーから提出された資料から何を読み取るか?」について、講義と演習が行われた。講師からは「サプライヤーから何を提出してもら うのか、何を確認するのかを、あらかじめきちんと決めてべきである。サプライヤーから提出された資料を綴じているだけという顧客もいる。これは宝の持ち腐 れである。また、サプライヤーが認証を取っているなら、第三者認証の報告書をぜひ見せてもらうべきである。審査報告書を3年分くらいまとめてみると、例え ばその組織が同じことを繰り返し審査で指摘されていたことなどが分かってきたりする」といった解説があった。

2013070ensyuu.jpg演 習では、同じ商品同じ工程であるが、異なるサプライヤーから提供されたFMEAシートを読み比べ、その相違点を抽出するという作業がグループ別に行われ、 それぞれ議論の結果を発表した。講師からは、「二者監査のチェックリストのベースになるのは、①プロセスフローチャート、②プロセスFMEA、③コント ロールプラン(QC工程表のようなもの)の3つで、これを並べただけでも何かヒントが見えてくる。複数のFMEAシートを見ながら、違うところや、一方に はあって、もう一方には抜けているものなどを発見し、それらの『いいとこどり』をして、架空のベストプラクティスプロセスを作ってしまい、それをチェック リストの形でまとめればよい。このチェックリストは、もちろん自分たちのため、すなわち顧客側のために作成するのだが、サプライヤーにとっても、これまで 当たり前だと思っていたことが抜けている場合があるので、メリットがある」という説明があった。このあと、資料として、チェックリスト作成までのプロセス を示した図表やチェックリスト作成の手順表などが配布された。

講義「二者監査は準備が勝負どころ」
社内で起きている品質問題のうち、サプライヤー起因による問題の比率が高い場合、二者監査の必要がある。そして、サプライヤーに対しても、インシデントの 件数がどれくらい多いかを示してやることも重要である。さらに、サプライヤーへの要求は何かを確認するため、基本取引契約書やその他の要求事項で、何を具 体的に要求しているかを確認しておくこと。監査準備としては、二者監査の最大の重要点は「リスクの低減」であり、その次に「継続的改善の促進」がある。そ のためには、サプライヤーのパフォーマンスデータを調べ、監査対象を優先付けした上で監査計画を立てる必要がある。

演習「チェックリストの作成」
2013070ensyuu2.jpg講 師側からは製造向けと設計向けのシナリオが用意されていたが、参加者は2グループともに「製造」を選択。製造プロセスが記述されたシナリオを読み、そこか らチェックリストに載せるべき項目を抽出する作業を行った。その際、参考資料としては、顧客会社のサプライヤー向け品質要求マニュアル、サプライヤーの会 社の製造マニュアル、品質保証体系図、設計FMEAシート、プロセスFMEAシート、チェックリストのサンプル等を配布。ただし、講師から、「チェックリ ストのサンプルは、あくまで参考にとどめ、その内容のとらわれないように」という注意があった。

第1日目の研修内容はここまで。

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