第三者審査

ケアと審査の共通点

ケアサービスの世界では、購買者と利用者が一致しない。例えば老人ホームにとっての購買者は家族である。家族は老人ホームに入った親には、二度と出てきて欲しくない。一方、利用者である高齢者は、老人ホームに入りたくて入ったのではない。なので、購買者と利用者の要求はもともと異なるのだが、老人ホーム側は、お金を払ってくれる購買者の方を向いている。家族もやがて高齢者になるのだが、現時点ではそこまで考えが及ばない。高齢者は自らの要求を自ら訴えて行動していくしかない。

この構図は審査サービスの世界と似ている。審査においても、購買者と利用者は一致しない。審査を購買する受審組織と審査結果である認証を利用する利害関係者(顧客や地域住民など)がいて、審査側は、お金を払ってくれる受審組織の方を向いている。ほとんどの組織が、受審側であり、認証利用者側でもあるわけだが、認証機関とコンタクトをとっていない後者の活動はあまり表に出てこない。「ISO認証の信頼性が低下している」とかは、経産省でもJABでも認証機関でも受審側としての組織でもなく、本来は認証利用者側が言ってこそ、信憑性がある。

日本には、ISO事務局や管理責任者、つまり組織の受審側担当者による組織は、認証機関や研修機関が事務局となって提供しているものや、業界団体の活動部会、有志による自主的な会合など、多々存在するが、例えばISO 9001認証を評価する調達・購買・品質保証担当者による集まりというのは、あまり聞いたことがない。お国のためには、利用者側の組織も必要だと思うのだが。

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コメント

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  • コメント (5)

    • ROMLER
    • 2011年 11月 14日

    > 「ISO認証の信頼性が低下している」とかは、経産省でもJABでも認証機関でも受審側としての組織でもなく、本来は認証利用者側が言ってこそ、信憑性がある。
    仰るとおりですね。
    信頼性低下説は、言いだしっぺが明確な根拠を示さず、登録件数が下降している理由として持ち出してきた仮説(言い訳)のように感じているのは私だけでは無いでしょう。
    そもそも、ごく一般の「認証利用者」(顧客や社会)の多くの方はISOの認証制度自体を知らないか、知っていたとしても自分が本来の制度利用者だとは気付いていないでしょう。
    信頼性云々以前の話ですね。
    まずは制度の趣旨や利点を、もっともっと社会一般にPRすべきなんじゃないかなぁ。

    • 或るけみすと(仮)
    • 2011年 11月 14日

    >例えばISO 9001認証を評価する調達・購買・品質保証担当者による集まりというのは、あまり聞いたことがない。お国のためには、利用者側の組織も必要だと思うのだが。
    GAIさんの二番煎じかもしれませんが・・・・・・
    ソレをやってしまったのがI△TFのような。
    I△Fのスキームを拒絶し、I△Fメンバーの各国認定機関を拒絶し、審査員登録機関を拒絶し、
    (認証制度の利用者自身の手で)認証ルールを作り、認証機関を選別し、審査員の資格認定も自ら行い・・・
    >「ISO認証の信頼性が低下している」とかは、経産省でもJABでも認証機関でも受審側としての組織でもなく、本来は認証利用者側が言ってこそ、信憑性がある。
    単に要求事項の過不足だけではなく、「ISO9001認証を信頼できない」と、認証利用者が判断した結果として、あのようなスキームが出来上がってしまったわけでは。
    >お国のためには、利用者側の組織も必要だと思うのだが。
    「ISO9001を審査基準とする第三者認証制度」は、「お国のため」に存在するのでしょうか?(反語です)
    J△BはI△Fに加盟し、MLAを締結しているのですから、国際的なスキームの中で「日本国内での」認証活動が行われているにもかかわらず、
    ISO認証の信頼性が「日本だけ」低下しているものなのでしょうか・・・・
    現在の国際的な認証スキームのどこかに欠陥があって問題を引き起こしているのか(問題が顕著なのは日本だけ?)、
    それとも国際的なスキームはおかしくないが日本国内の運用が悪くて問題を引き起こしているのか(にもかかわらず、相互承認のスキームで問題にならないって?)、、、、、、、、

    • 中尾優作
    • 2011年 12月 06日

    <まずは制度の趣旨や利点を、もっともっと社会一般にPRすべきなんじゃないかなぁ。
    JABやJACBなどが頑張って一般向けにPRをしていますが、なかなかむずかしいみたい。

    • GAI
    • 2011年 12月 16日

    > 例えばISO 9001認証を評価する調達・購買・品質保証担当者による集まりというのは、あまり聞いたことがない。
    > お国のためには、利用者側の組織も必要だと思うのだが。
    聞いた話ですが、海外の多くでは、そういったものに関する機関とか委員会のような類には、組織側からのそれなりの人が出てくるケースが多いのだとか。例えばISO/TS16949の前のQS-9000は、当時のBIG3の品質担当役員が作った様に、利用者側の組織の人がやっているらしいとのことでした。
    日本はどうなんでしょうね。
    認定機関の中身は良く知りませんが、例えばとあるTCナンチャラ員会では学者さんが主だったりします。
    これが悪いとまでは言いませんし、それはそれで必要性もあるのだと思いますが、でも、国際的な場で議論する場合、
    委員(会)=規格を使う/使わせる側の立場の人、と、
    規格を規格として学問的に扱う側の立場の人
    とでは、論点も着眼点も少し異なるものになるのではと思うのですが(間違いではなくても)。
    そのあたりが
    > JABやJACBなどが頑張って一般向けにPRをしていますが、なかなかむずかしいみたい。
    のようなことになるのではないか、と思ったりします。

    • 中尾優作
    • 2011年 12月 18日

    <例えばとあるTCナンチャラ員会では学者さんが主だったりします。
    国内委員会は、メンバー構成比から言うと企業の方のほうが多いと思いますが、委員長になるのは大学の先生が多いようです(品質や環境に限らず)。大学、役所、財団法人、NPOに所属している人物だと中立公正で、国の会議体のトップにふさわしいと思われているみたい。企業の中にいても、出世そっちのけで、公的な仕事を一生懸命やる人もいるのにね。

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