国際規格動向

アイソス3月号は米国特集

panelists.jpg3月号のアイソスは米国特集です。ISO 9001:2015による監査を米国ではどのように考えているか、その一端を知るべく、ASQ(American Society for Quality:米国品質協会)の第24回監査総会(写真)を現地取材してきました。アイソスが海外取材するのは、2002年の北欧特集と中国特集以来です。

この総会は2015年10月29日・30日の2日間、ネバダ州のリノで開催された品質監査の専門会議ですが、様々な品質に関する議論の中で、ISO 9001:2015に関するものだけをピックアップして、特集で紹介しています。

米国での議論で思ったのは、「監査」と「審査」を特に区別せず、単に audit として表現していることです。日本では、「監査」は主に内部監査や第二者監査の意味で使用され、認証機関による第三者監査には「審査」という言葉が使われており、両者は明確に区別して使うことが多いのですが、この会議では単に audit と言うだけでした。マネジメントシステム監査規格であるISO 19011は、旧版では内部監査と外部審査との両方を対象にしていました。この会議では、今でもこの両者を分化せずに audit という言葉が使われていました。

米国での議論で、日本にない特徴を挙げておきます。内部監査をテーマに挙げたLarry Whittington氏は、「私たちはこれまで是正処置のための触媒でしたが、これからは事業改善のための触媒であるべきです」と述べています。J.P.Russell氏は「適合性 vs パフォーマンス」をテーマに挙げ、「規格はクローズドエンドからオープンエンドに変わったのだから、私たちの監査もオープンエンドな質問をしなければならない」として、具体的にオープンエンドな質問がどのようなものかを示しています。Ronald Lear氏は「パフォーマンス vs コンプライアンス」をテーマとして、「パフォーマンスの付加・強化というのは、ISO 9001:2015に限った話ではなく、国際的なモデルや規格のトレンドだ」と強調しています。

日本人もこの会議でプレゼンをしています。アイソスの常連寄稿者である奧村朋子氏と日吉信晴氏です。本誌で紹介済みの「有効性と適合性の関係を示すマトリックス」「パフォーマンス達成プロセスを描いたタートル図」などを披露していました。

ASQ_logo.jpg今回の監査会議のシンボルマークはこれ(写真)です。「我々の監査が、パフォーマンスを改善し、顧客満足を引き上げ、収益を向上させ、経営リスクを減少させるのだ!」と謳っています。たとえ日本で監査会議を開催したとしても、主催者はここまで大見得は切れないと思います。この堂々たるプライドの源泉は何か? 私はいまだに理解できていません。

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