ISO 50001:2011

米国本気のISO 50001

ISO 9001:2000作成時に「顧客満足」と「継続的改善」の要求事項を強硬に入れてきた米国、ISO 14001:1996作成時に「環境マニュアル」の用語をどうしても入れることを拒否してきた米国、ISOマネジメントシステム規格(セクター規格を除く)に対しては、このようにパーツ対応に執拗にこだわってきた米国だが、今回は規格のパーツではなく、全体のたたき台を自ら作成してISOに提案し、その規格作成を審議するプロジェクト委員会(PC 242)の議長国まで名乗り出た。その米国本気規格がISO 50001(エネルギー管理)である。

ISO 50001は、調達から使用までを含めたエネルギーに関するすべての面を管理するための国際的な枠組みであり、エネルギー効率を向上させるために、組織に 技術面・管理面での戦略を提供し、コストダウンをはかるとともに、環境パフォーマンスを向上させることを目的として開発されたものである。また、この規格 はエネルギーサービス産業向けにのみ開発されたセクター規格ではなく、あらゆる会社、工場、事務所、商業施設などに適用可能であり、同規格の普及によっ て、世界のエネルギー使用量に対して60%まで影響を与えることができるとしている。

ISO 50001は、末番号の1が意味しているように、要求事項を含む仕様書であり、発行されれば認証用スペックとして使用される。ただし、あくまでマネジメン トシステム規格であって、基準値などを示したパフォーマンス規格ではない。このような仕様書が開発される時は、通常、並行してガイダンスも同時に作成され るが、ISO 50000シリーズの場合も、ISO 50001と連携した形で、用語(terminology)、使用(use)、実施(implementation)、測定(measurement)、 測定基準(metrics)に関するガイダンスが発行される予定である。また、ISO 9001/14001との整合性をはかるとともに、PDCAアプローチによる継続的改善の仕組みが採用されるのは間違いない。

ISO 50001の規格作成の議論がISOで始まったのは、2008年2月である。米国の国家標準団体であるANSIがISOにエネルギー管理に関する国際規格 作成を提案し、ISOがそれを承認、審議委員会としてPC 242を設置して、規格作成作業がスタートした。PC242の第1回目の会合は2008年9月、ワシントンDCで開催されている。現在、規格作業は WD2(第2次作業原案)まで進んでおり、2009年6月にはCD(委員会原案)の投票が行われる。このあとはDIS(国際規格案)、IS(国際規格)と いう順序で作業が進行する。最終的にISO 50001が発行されるのは2010年末から2011年初の予定である。

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