ISO 9001:2008

「8.2.3 プロセスの監視及び測定」

「8.2.3 プロセスの監視及び測定」のJIS文を読んでみましょう。

「組織は、品質マネジメントシステムのプロセスを
適切な方法で監視し、
適用可能な場合には、測定をすること。」
この日本文では、
QMSのプロセスに対して、
「適切な方法で監視すること」と
「適用可能な場合には、測定すること」の
2つが要求されています。
「監視」は「適切な方法」でやれ、と書かれていますが、
「測定」は「適切な方法」でやれ、とは書かれていません。

原文を見てみましょう。

The
organization shall apply suitable methods for monitoring and, where
applicable, measurement of the quality management system processes.

suitable methods(適切な方法)を適用する対象は、
monitoring(監視)だけでなく、measurement(測定)もそうです。

あなたがこの英文を素直に訳すなら、
「組織は、品質マネジメントシステムのプロセスの監視、
及び適用可能な場合なら測定には、
適切な方法を適用しなければならない」
とするでしょう。

その方向性で、正しいと思います。

もう1点、考えてみましょう。
あなたは、この「8.2.3」を読んで、1カ所、違和感を感じませんか?

「計画どおりの結果が達成できない場合には、
製品の適合性の保証のために、適宜、修正及び是正処置をとること。」

When
planned results are not achieved, correction and corrective action
shall be taken, as appropriate, to ensure conformity of the product.

「製品の適合性」(conformity of the product)?
どうして、ここで「製品」が出てくるの?
「8.2.3」って、プロセスの話でしょう?
製品の話は、次の「8.2.4」じゃないの?
そりゃ、最終的には製品の適合性の保証に行き着くけど・・・

あなたがそこに違和感を持ったのなら、
あなたは、世界のISOユーザーと思いを共有しています。

「8.2.3」では「プロセスの保証」が求められているのに、
「製品の適合性の保証」だなんて、
ややこしいことを言わないでほしい!

そういう声がISOに寄せられました。

「製品の適合性」っていう表現、
ボツになるでしょう。

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コメント

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  • コメント (4)

    • 家元
    • 2008年 8月 24日

    DISでは消えちゃうみたいですね。
    「プロセス」の位置づけがいろいろあって、そこに悩みが出てくるから、監視しろって言われてもねぇ・・・。
    「製品の適合性を・・・云々」が消えるとわかりやすくなりますかねぇ。
    かえってまたよくわかんなくなっちゃいそうな気もするんですが。
    規格の悩みどころって、実務にどう取り込むか、どうやってその価値を発揮させるか、について確信が持てるか、ですよね。
    会社のあらゆる活動が「プロセス」といえますから、何かうまくいかないとすぐに「プロセスの監視がなっていない」なんて言われちゃったりして。
    こんなことを改めて考えさせてくれるところもこのブログのいいところですね。

    • GAI
    • 2008年 8月 27日

    「製品の適合性の保証のために」は、私は分かりにくいとは思いませんでした。むしろ書いてあった方が、自己都合の効率性改善で、製品の適合性に逆行するようなことにつながる行為の防止になるかな、とも思えました。
    で、結果としてDISでは消されましたが、この理由が「監視および測定のタイプと程度の明確化」となっていて、どうも釈然としないなぁと思っていたら、きちんと“NOTE”が追加され、そこに(わかりやすいか否かは別にして)触れられてましたね。

    • 中尾優作
    • 2008年 8月 27日

    GAIさんのコメントに出てくる NOTEの日本語を参考までに掲載しておきます。
    【注記】
    適切な方法を決定するとき、組織は、製品要求事項への適合性及び品質マネジメントシステムの有効性への影響に応じて、個々のプロセスに適切な監視又は測定のタイプ及び程度を考慮することが望ましい。

    • 家元
    • 2008年 8月 28日

    この注記からは、規格の作り手は結構「幅広く」構えたプロセスの監視をイメージしているようですね。2000年版の時からそうだったのかな。
    「個々のプロセス」をどうとらえるか、が結構問題ですね。
    ?????????
    以前からの疑問は
    製品=プロセスの結果、ですから、
    プロセスの監視の対象としたプロセスの結果は
    製品の監視の対象になるはず・・・なのに、そちらは「検査」で折り合いがついちゃっている・・・なんかバランスが悪いような気がし続けているんですけど。
    ようわからんコメントですんません。

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