家族

家出息子の帰還

後で食べようと思ってテーブルの上に置いておいた
フライドチキンがありません。
チキンのコロモの粉が、テーブルの上に散乱しています。
人のおやつを食べた上に、この行儀の悪さ。
許せません。

 

私以外に家にいたのは2人の息子だけです。
早速、2人を呼びつけました。
「お父さんのチキンを食ったのは、どいつだ!」
2人は黙っています。
「おまえか!」と1人に問い詰めると、
黙ってこっちをにらんでいます。
「じゃあ、おまえか!」ともう1人に聞くと、
しっぽを振っています。
(なめやがって!)
2人とも返事をしません。
結局、どっちが食べたのかはわからずじまいです。

夕方になって、2人を散歩に誘いました。
いつものように、2人が先に家を出て、
あとから私が追いかけます。
私が外に出ると、1人しかいません。
(あいつ、まだしかられたことを、怒っているのか)
息子1人と一緒に近所を散歩しながら、探しました。
しかし、見当たりません。
(まあ、そのうち帰ってくるさ)

しかし、その日は帰ってきませんでした。
翌朝、近所の人に聞いてみたり、近くのスーパーなどに
「探しています!」のポスターを貼って回りました。

3日目。
まだ見つからないので、ついに警察に電話を入れました。
「そういうことは、保健所でしょう」
と相手の警察官が言いました。
保健所に電話を入れると、
それらしい犬を預かっているという返事。
私の家から1キロほど離れた公園を歩いているところを、
近所の人が見つけて保健所に通報したらしいのです。

保健所にいくと、いました。
すっかりやつれた姿で、うなだれていました。
始末書を書き、5千円の保釈金を払って、
牢屋から出してもらいました。

「通報者にお礼がしたいので連絡先を教えてほしい」
と保健所の係員に言うと、
「通報する人は犬嫌いが多いので、しないほうがいい」
とのことでした。

家にもどってから、
今度はきちんとリードをつけて散歩に行きました。
すぐに大量のウンコをしました。
かわいそうに、ずっと我慢していたのでしょう。
散歩のあと、ドッグフードと水を一気に流し込んでから、
ぐっすりとまる半日眠り続けました。

犬にも「家出」という切り札があることを
思い知らされました。
自分はチキンを食べていないのに怒られたことが、
よほどくやしくって、家出をしたのでしょうか?
真相はわかりません。
ですが、今後は犬格を尊重することを誓います。

dogs

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コメント

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  • コメント (8)

    • 家元
    • 2008年 9月 15日

    「おでん9000」がうけたのにワルノリして・・・
    無風流の是正処置ワークショップの事例を公募しようとしていたところでしたが・・・
    「家出息子の帰還」には、そそられるところが多々あって・・・
    「問題の特定」だけでもいろいろ出てきそうで・・・
    使わせてもらえますか?

    • 中尾優作
    • 2008年 9月 15日

    「家出息子の帰還」が無風流是正処置WSのケーススタディに採用されることは光栄の至りです。ぜひ、お使いください。ただ、2人の息子の証言の記録は残っていませんが・・・

    • Fired Man
    • 2008年 9月 16日

    お2人の息子さんの証言・・・中尾さんのご家族の構成を知らないので一瞬本当の(人間の)ご子息と早とちりしました。バウリンガルというおもちゃがあっていろんなシチュエーションでの犬の鳴き声をDB化して通訳してくれるのですがこれを使ってみたかったなぁ。

    • 中尾優作
    • 2008年 9月 16日

    バウリンガルがもしわが家にあったのなら、私は息子の1人からたぶん激しく非難されていたのではないでしょうか。ああ、恐ろしい。

    • 鈴木 信吾
    • 2008年 9月 23日

    御許しも出たところで、
    是正処置ワークショップでやってみましょう。(^^)
    「現状の把握」のステップでも相当に発見がありそうです。
    伊豆のその後も活かせるかも。 (*^^)v

    • 家元
    • 2008年 9月 28日

    家主さんの了解もいただけたし、道友の賛同も得られたし、
    是正処置ワークショップの題材に決定ですね。
    バウリンガルがあったとしても、実際に何が起きたのかは特定できない・・・だろう・・・ところも現実に直面する問題と同じ特性を持っている・・・いい事例です。
    よね、信吾さん。

    • 師範
    • 2008年 10月 01日

    先週末より、久方ぶりに実家に帰りましたが・・・。
    父が亡くなって以来、心身共に衰えを見せていた母が、ようやく心が元気を取り戻したものの、ひきこもっている間に衰えた脚力は想定を超えておりました。
    買い物に行きたいという母を連れた帰り足、緩やかな登りになった動く歩道に乗って数秒後、母が転倒してしまいました。荷物を乗せたカートを押し、先に歩道に乗ってしまった私の大ミステークです。でも、それで終わりにしてしまったら、母はこの失敗を恥じて一人では買い物に出なくなってしまうことでしょう。
    本人は、何が起きたのか分からないと言います。その横で、「何がどうなって転んだのかが分からないと、また転んでしまうから、ちゃんと思い出して。歩道に乗るとき、杖はどっちの手に持ったの?」転んだばかりの母に、厳しく問い掛ける娘は、周囲の人には、鬼のように映ったかもしれませんね。
    要因はいくつかあります。
    もちろん、母の脚力が衰えたのが直接要因ですが、転倒を未然に防げなかったのは、私自身が、母の衰えを甘く見ていた。つまり、正しい測定ができていなかったのが、最大の要因です。
    また、一方で、母は杖を使い慣れておらず、杖を使って動く歩道に乗ったのは、実は初めてでした。つまり、訓練不足です。
    そして、私が先に歩道に乗ってしまったことも、重要な要因です。もし、真後ろについていたら、転倒を防げたかもしれないし、あるいは、支えきれずに、一緒に転倒してしまったかもしれません。
    もう一つの可能性として、母がカートを押していたら、転倒はなかったかもしれません。重いカートを押すのは大変だと考えましたが、重いカートは歩道上では磁気が作用し、勝手に停止します。使い慣れない杖で体を支えるより、使い慣れたカートに体を預ける方が、良かったかもしれません。
    一つ間違えば、大きな事故になっていたかもしれません。
    予防処置を身近な生活にも展開できていたら、母を転倒させずに済んだだろうにと、自身の未熟さに情けなくなりました。
    とはいえ、再発防止として、母には脚力を鍛えるための課題(毎日、家の周辺を散歩すること、家の階段の一段目を使い、階段昇降をすること)を提案し、母も頑張ると言ってくれましたので、次に実家に帰ったら、適合性(ちゃんと実行できたか)と有効性(脚力は上がったか)を評価する予定です。
    私の方は、母の衰えを受け入れることと、衰えた母との付き合い方を学ぶことから始めなくては、です。
    これって、職業病? それを超えた域?
    では、次回の是正処置ワークショップで。

    • 中尾優作
    • 2008年 10月 01日

    仕事だけでなく、日々の生活でも再発防止・未然防止に取り組む。
    職業としての「審査業」だけでなく、まさに全生活的な「審査道」ですね。
    私も先日、大阪に出張に行った際、母の実家に泊まりました。
    私の母も足が弱っていて、杖や買物車を使って歩行していますが、口だけは達者です。
    この間は女友達と、どんな男がいいかを議論したそうです。
    その友達は、ヨン様ファンで、冬ソナ・パチンコではかなりお金をスッてしまったらしいです。
    うちの母はヨン様など、見向きもしません。
    「あんた、ヨン様なんて、どこがいいのよ」
    「あら、じゃあ、あんたは誰がいいのよ」
    「わたし? わたしは最近、アトムよ」
    相手は母の発言にぽかんとしていたそうですが、その話を聞いて私も同様でした。
    「アトムって、鉄腕アトム? おかん、とうとうモウロクしてしまいよったか」と思っていましたら、さにあらず。
    「アトム」とは、田中亜土夢というイケメン・サッカー選手のことでした。
    最近の母の最大の楽しみはテレビでサッカーを見ることだそうで、亜土夢はU-20ワールドカップ2007でのシュートを見て以来、シビレテいるそうです。ヤレヤレ。

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