恋人を待つ時間

娘の携帯に何度も電話が入っています。
寝坊したため約束の時間に待ち合わせ場所に行けなかった相手が、一所懸命、娘の機嫌をとっているようです。
最初はブチ切れ状態だった娘も、
そのうち笑顔になり、
しばらくして、出かけていきました。

そんな娘を見て、
学生の頃から遅刻の常習犯だった
妻のことを思い出しました。

ある日、一緒にハイキングに行くことになり、
朝早く大阪駅で待ち合わせをしました。
いつものごとく、彼女は定刻には来ませんでした。
ご両親は私の苦手なタイプだったので、
彼女宅に電話を入れることもできません。
もちろん携帯もない時代です。
仕方なく、待ちました。
結局、正午過ぎ、遠くの方にいる彼女を発見しました。
駅構内に林立する支柱の後ろに身を隠し、
片目が見える程度に顔を出して、こっちを見ています。
しばらくして、サッとすぐ前にある支柱に飛び移り、
また身を隠し、そのあとチラッとこっちを見る、
そういうことを繰り返しながら、
少しずつ前進してきます。

そのときの駅の光景や彼女の仕草を、
まだ覚えています。

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コメント

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  • コメント (4)

    • イソハドーグ
    • 2008年 11月 24日

    なんという胸キュンストーリーでしょう。
    デートで、恋人を待つ時間というのは、わくわく感いっぱいで、ぜんぜん苦にならなかったですねぇ。
    妻を待つ時間となるとまた、それはそれで…。
    先日も、アウトレットモールで別行動したとき、あたりまえのように私の方が先に買い物を終えて、息子と一緒に妻を待ちましたが、
    わくわくしましたよ!?
    ところで、
    そのとき当然、中尾さんは、気がつかないフリをしてあげたんでしょう?

    • 中尾優作
    • 2008年 11月 24日

    <ところで、そのとき当然、中尾さんは、気がつかないフリをしてあげたんでしょう?
    いえ、彼女の前進ぶりに思わず笑ってしまいました。

    • GAI
    • 2008年 11月 26日

    私と妻の間では、遅刻の常習犯は私になっています。まだ、妻が彼女だったころ、最初から半ば遠距離恋愛だったのでほとんどは私が移動するようにしていましたが、車で移動なので正確な到着時間は設定できず、その多くは遅刻という結果で表れていました。
    彼女(妻)の中では私が遅刻の常習犯というイメージが固定していたのでしょう、いつも待っていてくれたものでしたが、今でも危なかったと思うのが、初めての待ち合わせのときです。まだ、常習犯というパフォーマンスも示しておらず、さらに恋愛開始前という状況だったので、待ち合わせに遅れまいと前日に車で実家に帰り、当日、実家を早めに出て待ち合わせ場所に車で向かう阪神高速で、トラック事故による完全渋滞につかまってしまいました。もちろん当時は携帯電話などなく連絡のしようもない状況で、焦った私は高速の出口も間違え、結果的に二時間以上もの遅刻をしてしまいました。
    もう、ほとんどあきらめの境地状態で待ち合わせ場所まで走って向かう時間がとても長く感じましたが、そこで彼女(妻)を見つけた時には一気に焦りも疲れも飛んだものでした。
    もし待っていてくれなかったら今の家庭はなかったかも、そんなことを思いながら、後に妻に聞いてみました。
    私:「あの時は、よく待っていてくれたね」
    妻:「ホント、自分でもよく待ってたと思うわ。でも、なんで待ってたんだろう?」
    (^。^;) アセアセ!

    • 中尾優作
    • 2008年 11月 26日

    GAIさんへ
    いい人(奥さん)ですね。初めての待ち合わせで2時間待っていてくれましたか、すごいなあ。2時間というのは、必ず来るという確信がないと待てない時間ですよ、きっと。ここで、彼女が帰っていたら、GAIさんは別の人生を歩んでいたのですねぇ。実に感慨深い。

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