事業継続MS

被災地で異なる言い分

numazu.jpg今年度にスタートした経済産業省による「事業競争力強化モデル事業」に参加している沼津市建設事業協同組合を取材した。同組合の代表理事を務める後藤工務店・後藤剛徳社長(写真)にモデル事業への参加目的をお聞きすると、同事業を通じて組合でBCMS(事業継続マネジメントシステム)を構築することにより、現在沼津市と結んでいる災害時協定に対応できる体制を構築したいとしている。現在の組合の体制では、実際に被災した場合、迅速な復興作業などとてもできないと考えたからだ。

後藤社長は昨年、東日本大震災の被災地を訪れ、地元の建設業者と復興庁から話を聞いた。双方、それぞれに言い分がある。

被災地の建設業者の言い分は、役所の指示通りに現場に行っても、現場が役所が言った通りの状況になっていなかったとか、ほかの業者がすでに来ていたとか、役所の指示系統が相当混乱していたとのこと。

一方、復興庁の言い分は、地元の建設業者がまとまってしまって、なるべく他県の建設業者を入れないような排他的な対応をしたとか、地元の建設業者が設計書などの整備できていない状態で作業を始めるので、本来なら3〜4ヵ月でできる仕事が1年以上かかったり、途中で中断したりしたなど、建設業者も非常に混乱していたという。

「このような状況を見ると、やはり事が起きる前から、役所と建設業者とで日頃から腹を割って話し合える体制を作っておく必要があると思いました。事前の準備がどれくらいできているかで、復興のスピードが全然違ってくることは、被災地を見れば明らかです」(後藤社長)

そこで、まず沼津市との間で結んでいる災害時協定の見直しにとりかかった。現在の協定内容は、具体的にどのレベルの災害が起きれば、どれくらいの被害が出て、どんな対応が組合に求められるかといった具体的な内容まで詰めていない。その作業を、まず組合側で「基本計画書」を作成し、それを沼津市に提案して、そこから一緒に見直しを始めようというわけである。

沼津市が結んでいる災害時協定の相手は沼津市建設事業協同組合だけでは、もちろんない。数多くの協定先がある。その個々の協定先に対して具体的な対応策を提示するなど、沼津市側では、とてもできない。だから、民間側から提案していく。しかし、本来なら役所の仕事だ。だから、経産省のモデル事業から資金支援を受けて、実施する。実に理にかなったやり方である。(詳細はアイソス11月号で)

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