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第1回カーボンフットプリント普及連絡会 速報

091030cfp.jpg10月30日、東京で「カーボンフットプリント普及連絡会」(稲葉敦委員長〈工学院大学教授〉)が開催された。この連絡会は、カーボンフットプリント(CFP)に関する各事業者・団体の取り組みの紹介やPCR(商品やサービスごとに設けたCFPの算定方法の基準)策定の課題などを意見交換する会合で、傍聴の形で一般公開されていおり、今回が第1回となる。メンバーはPCR登録をしている代表申請者で現在40名。事務局はCFP制度試行事業事務局(産業環境管理協会)で、オブザーバーとして経済産業省、農林水産省、国土交通省、環境省が参加。

今回の主要課題は「CFP制度試行事業の進捗状況」。出席したPCR登録事業者・団体の代表者からの発表で課題として浮かび上がったのは、次のような点だった。(PCR登録業者名、丸カッコ内は登録製品、カギカッコ内は発言内容)

(1)二次データづくりで苦労
・日清食品(即席めん)「どの点を一次データにし、どの点を二次データにするかが迷うところだ」
・アースサポート(有機質の液体肥料)「液体肥料の運搬には特殊車両を使うので、トラック会社から二次データを集めたりした」
・カンロ(キャンデー)「添加物の二次データをいかに充実させるかが鍵となった」

(2)流通・販売の場での算定基準づくりがむずかしい
・テルモ(電子体温計・電子血圧計)「店頭で売るか、病院に直接納品するか、通販で売るか、その売り方によって算定方法が変わってくる」
・ネスレ(チョコレート)「流通・消費の段階で状況が変わる。例えば、夏場はチョコレートを冷蔵して運送するのでCO2排出量が増える」

(3)海外生産のデータが集めにくい
・ネスレ(インスタントコーヒー)「国内生産のものと、海外生産のものとの両方を扱うが、海外についてはデータ収集に時間がかかってしまう」

(4)消費者(B to Bの場合は取引先組織)に提供後の算定がむずかしい
・三信化工(食器)「食器は消費者の手にわたってからの毎日の洗浄や乾燥でのCO2の排出量が多い。これを算定するのがむずかしい」
・アースサポート(有機質の液体肥料)「液体肥料を使って作った作物が消費者にわたった後のCO2排出量をどう考えるかを検討中」
・チクマ(ユニフォーム)「ユニフォームにはメンテナンスがある。顧客が替え着を何着持っているかで、洗濯する頻度が変わり、算定量も変わってくる」

(5)製品の種類、部材の種類が多い
・全日本文具協会(その他の文具など)「文具は種類が多く、部材も幅広い。現在は5つのカテゴリーに分けて取り組んでいる」
・日本オフィス家具協会(オフィス家具)「素材が多極化しており、製品の種類も非常に多い」

(6)業界のデータが集めにくい
・ミダックふじの宮(廃棄物焼却処分サービス)「閉鎖的な業界なので、業界内のデータを取るのに苦労した」

こ れまでの取り組みのメリットを強調したのは、すでに「うるち米」「菜種油」「衣料用粉末洗剤」でCFPマーク使用許諾を受けているイオンで、「会社を挙げ てCO2削減に取り組んでいる。この取り組みはお客様にCO2を見える化するというメリットがあるだけでなく、業者の方々もコストダウンなどにつながると いう効果が出ている」との発言があった。また、廃PETボトル再商品化協議会(PETボトルリサイクルフレーク&ペレット)は「市町村が集めたPETボト ルを回収し、製品化(フレーク、ペレット)して業者に売るというB to Bの仕事をしているが、CFP制度に取り組むことで、回収されたPETボトルがどれだけCO2削減に役立っているかということを数値で地方自治体に示して あげることができる」とのこと。

提案としてはカルビー(ポテトチップス)から「算定のためのテンプレートを作っていただければ、他のメー カーも参加しやすいのではないか」というのがあった。また、取り組みに際して、コンサルタントの指導がとても助かったという意見(カルビー、チクマ)も あった(CFP制度施行事業においては、派遣されるコンサルタント費用は国が負担)。

これらの発言を受けて3氏からコメントがあった。
・ 辰巳菊子氏(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会)「今まで環境に取り組んでこられ、それをどう外に向けて表現すればいいのかを考えておられた ところで、CFPに出会われたのではないだろうか。サプライチェーンは非常に重要で、そこに一所懸命取り組んでおられると思う」
・須田茂氏(産業 環境管理協会)「二次データの話が出たが、これについては、経産省・産環協で取り組んでおり、解決は時間の問題だと思う。話を聞いていて、シリーズ製品を 考慮した基準づくりが必要ではないかと思った。中間材・資材を担う方々がもっとCFPに取り組んでいることをアピールできるようにならないものかと思う」
・玄地裕氏(産業環境管理協会)「二次データについては、すでに2,000を超えるデータができつつある。簡便なツールの要望が出ており、テンプレートの提供も必要かなと思っている」

最 後に稲葉委員長が総括し、「今回の話で、PCR登録申請された製品の中には中間製品が多いこと、サービスやICTなど目に直接は見えないものが多く、そう いった分野への対応も必要なことが分かった。また、二次データの問題、消費者にわたった後の算定をどうするかといった問題も出ている。さらに商品カテゴ リーについても、今は事業者の皆さんに考えてもらって作っている状況だ。ただ、このように、進みながら決めていくという姿勢が、今は必要だと思う。もとも とLCAというのは、やりながら決め、まずかったら直し、またやる、という、行ったり来たりのイタレーション(反復)でやるものなのだから」と締めくくっ た。

このあと関係省庁のコメントがそれぞれあり、閉会となった。次回会合は11月25日の予定。

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