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カーボンフットプリント制度説明会速報

9月14日午後、産業環境管理協会(産環協)主催による「カーボンフットプリント(CFP)制度説明会」が東京・日経ホールで開催され、企業関係者中心に600人が参加した。同説明会は二部構成になっており、第一部では、産環協・CFP推進チームプロジェクトリーダーの石塚明克氏がCFP制度試行事業について解説を行った。

ishizuka.jpg石塚氏はCFPの意義について「事業者側にとっては、製品のライフサイクルとサプライチェーン全体を通じてCO2排出量を把握し、どこに問題があるかを見つ けることができるし、自分たちのそういった取り組みを消費者にアピールすることもできる。消費者側にとっては、どの商品がライフサイクルを通じてどれだけ CO2を排出するかが分かり、企業の取り組みも知ることができる」と述べ、世界及び日本の動向として「イギリスが一番早く取り組み、中国に自国の取り組み 方法を薦めているし、フランスは法制化を推進している。またISOではすでに国際規格化に向けて動いており、2011年の発行を目指している。日本では CFPの試行制度が今年度から3カ年計画でスタートしており、今年度中にCFPマークの市場投入を予定している」と語った。

panel_2.jpgこのあとの第二部は、CFP制度の取り組みの現状と今後の展望についてのパネルディスカッション。モデレーターは日経エコロジー編集長・神保重紀氏、パネリ ストは、工学院大学教授・稲葉敦氏、イオングループ商品最高責任者付・椛島裕美枝氏、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任理事・辰巳菊子 氏、経済産業省産業技術環境局環境政策課環境調和産業推進室長・村田有氏、産業環境管理協会製品環境情報事業センター所長・壁谷武久氏。

inaba2.jpg稲葉氏は「CFPの活動が2007年にイギリスで始まって以来、まだ3年ほどしかならないのに、日本も含めいろいろな国で急速に広がった。そこには背景が あって、1992年の環境サミットで『持続可能な開発』が謳われ、その10年後の環境サミットでは『持続可能な生産と消費』が謳われた。これを比べると分 かるように、生産者側だけで環境に取り組んでも限界がある、消費者も取り組まないとダメだと世界が考え始めた。その流れの上での、CFPの制度なのであ る」とCFP制度の歴史的背景について解説し、「昔、日本でLCAに取り組み始めた時、私は『LCA みんなでやれば恐くない』という標語を掲げた。 CFPも同じだ。生産者やサプライチェーン関係者だけでなく、消費者も含めて、みんなで取り組まなければならない」と語った。

hanajima.jpg流通側を代表して椛島氏は「CFPは、これまでと違ってサプライチェーン全体で取り組まなければならないし、企業の環境担当者も含めた中で掘り下げた議論が 必要になってくる。また、お客さんにCFPを説明するには、まず社員自体がしっかりした知識を持っていないといけないので、CFPの社内展示会を開くなどして社員の啓蒙に努めている。また、CO2排出量の算出の計算にすごく時間をとられており、この分野の人材不足を感じている」と述べた。

tatsumi.jpg消 費者を代表して辰巳氏は、「これまで消費者が商品を買う際は、その商品を自分が消費する場合のことしか考えていなかったけれども、CFPの登場によって、 商品の一生のCO2排出量を考えるようになるという点で大きな意義があると思う。ただ、CFPはまだまだ消費者には知られていない。商品を購入するその場 所で、CFPとは何かを消費者に直接伝える工夫が必要だ」と発言。

murata.jpg国側を代表して村田氏は「CO2の『見える化』によって、事業者は自社の取り組みを消費者にアピールできるし、消費者は自らの消費活動を定量化できるという メリットがある。このCFP制度の活用によって、一層のCO2削減を推進したい。私もこのほど10kgの減量を達成した。現在流通している食品の多くはカ ロリーが見える化されているので、それによって高カロリーのものを控えることができる。CFPも同様の効果があると思う」と、自らのダイエット体験を話に 加えながら制度のメリットを強調した。

kabetani.jpg主催者側を代表して壁谷氏は「中小企業の方から、CFPは対応がむずかしいし、商品のコストアップにつながるのではないかという懸念をよく聞く。しかし、 中小企業には中小企業なりの最適なやり方があるだろうし、CFPに取り組むことで新しい環境ビジネスにつながることもあると思う」と語った。なお、産環協 では今回の開催に続き、10月には全国8カ所で同様のCFP制度説明会を開催する予定である。

CFP関係の詳細情報はCFPのウェブサイトで。

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