GFSI

Food Safety Day Japan 2013(11) FCPとグローバル・マーケット・プログラムの協働始まる

GFSI(Global Food Safety Initiative)主催による「フード・セーフティ・デー・ジャパン 2013」・2日目午前中の前半部が終了し、ネットワーキング・コーヒーブレイクに入ったあと、農林水産省食料産業局企画課食品企業行動室長の横田美香氏が「FCPとグローバル・マーケット・プログラムの協力」について講演を行った。

yokota.jpgGFSIとの協働はFCPに国際的な手法を取り入れるヒントになる
【横田美香氏(写真)による講演】

FCPは、食品事業者に役立つツールを開発しており、徐々にその取り組みが広がっている。8月9日には、FCP共通工場監査項目とグローバル・マーケット・プログラムとの整合を検討するタスクフォースに対して、FCP事務局として協力することを発表させていただいた。私どもも、こういった取り組みに協力することによって、FCPの国際展開をはかっていきたいと考えている。また、食品産業の振興には、食品の安全性の向上が課題になるが、食料産業局としては、産業としての成長や国際的な貢献も重要課題と考えている。

世界の市場規模の推計において、2009年と2020年を比較すると、食の市場規模は、およそ倍になる。特にアジアについては3倍の規模になると推計しており、これに対して日本はどう取り組むかが課題になる。一方、日本は人口が減少し、農村の過疎も課題になっているが、日本という国自体は食料を生産する豊かな地域資源を保有している。特に水田を中心にした食料生産は自然と共生する生産装置としては優れたものである。日本としては食品産業を振興することによって、一定の供給力を維持できるのではないか。これを通じて世界に貢献していきたい。

日本の食文化は世界で注目されているが、地域に根付いたもので、多様性に富んでいる。さらに健康的で、食べる人を楽しませる細やかさが特徴である。こういった食文化を背景にして、日本の食品生産や流通の特徴は「お客様視点」であり、これが日本企業にとっての中心的な価値観になっている。「おもてなし」が食の世界でも中心にあると思う。これと技術力が相まって、細かいニーズをとらえた品揃えや高齢化を背景とした配送システム等が特徴になっている。

日本は食品に関して「安全・安心」がよく使われている言葉である。「安心」がないと、日本の消費者はなかなかモノを買ってくれない。これは消費者の心理状態を指し、非常に主観的である。食品自体は目に見えるが、「安心」は目に見えない。そのために食品や食品業者に対する信頼があって初めて、「安心」を得ることができる。FCPは、まさにこの信頼の部分をどうやって獲得していくかというところから始まっている。

FCPは、消費者の食に対する信頼を高めることを目的としており、農水省がプラットフォームを提供している。現在、1500社以上がFCPに参加している。消費者の信頼を確保するためには「見える化」が必要であり、具体的には、いろんなものを標準化し、適切に伝わるように言葉を共有化することがポイント。それが全体のレベルアップにつながる。この循環を回していくことによって、食品業界全体の底上げをはかっていきたい。

この取り組みの根っこを担っているのは、食品事業者が参画して、消費者の信頼獲得のためのポイントをまとめた「協働の着眼点」である。これはコミュニケーションの観点からまとめている。この中には、食品の安全確保のための取り組みだけでなく、お客様視点をどう持つか、社会的規範に違反しないような企業風土をどう作っていくか、取引先との公正な取引にどう取り組むか、などが示されている。これをベースにして、「FCP共通工場監査項目」や、商品を売る際にはどういったことを伝えるかをまとめた「FCP展示会・商談会シート」も開発している。

「FCP共通工場監査項目」は、取引先によって工場監査項目がバラバラになってしまうとコストが上がってしまうので、各社に共通している監査項目を統一してまとめたもので、監査側と被監査側とのコミュニケーションの促進させる効果がある。また監査項目が、現場で使われている、非常に分かりやすい言葉で表現しているのも大きな特徴である。

FCPは、企業の競争に関わらない部分を事業者が自主的に協働して作っており、これはGFSIが目指していることと共通している。また、現場の事業者の取り組みから出ているFCPであるが、国際標準を意識したものに変えていかなければならない。そのためには、GFSIとの協働は、現場の取り組みに国際的な手法を取り入れていく際のヒントになるのではないかと思う。また、FCPのツールの1つである「展示会・商談会シート」の外国語版の作成も検討を開始している。

GFSIのグローバル・マーケット・プログラムは、中小事業者のための段階的支援だと思う。食品事業者の全体の底上げは、農水省の課題でもあり、特にHACCPの普及には力を入れていきたいと考えているので、GFSIのグローバル・マーケット・プログラムの動きには期待している。

GFSIには、さらに実効ある対策のために、それぞれの国や知識における文化的背景、ローカルな多様性を理解していただき、そういったものを壊さないようにグローバルな食品安全を進めていただければと思う。

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