GFSI

Food Safety Day Japan 2013(8) グローバル・マーケット・プログラムを強力に推進するマレーシアの事例

GFSI(Global Food Safety Initiative)主催による「フード・セーフティ・デー・ジャパン 2013」の2日目。司会・進行は初日同様、日本コカ・コーラの瀬在祥生氏が担当した。冒頭、3M社提供によるビデオ「ローカルからグローバルへ より安全な食品と市場アクセスへのロードマップ」が放映されたあと、スピーカーによる講演に入った。2日目最初のスピーカーは、「グローバル・マーケット マレーシアの事例」をテーマに、イオンマレーシア ロス・貿易・品質管理部シニアマネージャーのハスダン・ハッシン氏とマレーシア国立ウタラ大学産学連携センター局長(博士)のハティーニ・アーマッド氏。

Hussin.jpgイオン・マレーシアはGFSIグローバル・マーケット・プログラムを展開中
【ハスダン・ハッシン氏(写真)の講演】

イオン・マレーシアは1984年設立。これは、マレーシアの近代化のために作ったもので、現在、26のスーパーマーケットを展開している。我々は食品安全のレベルアップを目的として、まずGFSIグローバル・マーケット・プログラムの初級レベルを展開し、続いて中級に挑戦し、最終的にはGFSI承認スキームの認証取得を目指す。このグローバル・マーケット・プログラムの導入を通じて、UNIDO(国際連合工業開発機関)とイオンが協働でSSDP (Sustainable Supplier Development Programme-持続可能なサプライヤー発展プログラム)を展開している。SSDPの目標ステップは、最初に能力向上基盤を構築し、次に地域社会の持続可能な発展のため国内市場参入機会及び貿易機会の推進をはかり、最終的にはアジアの消費者が、より安全で安心な食材を求めることができる機会を促進するというもの。SSDPは2012年から導入され、現在はパイロット期間中で、その後のモデル運用による展開期間を経て、最終的には2015年2月以降にマレーシア政府に公的基盤として展開してもらうことを目指している。展開期には、学生をSSDPを実践している中小企業に派遣し、インターンとして現場を手伝ってもらう。学生にとっては、現場の勉強になり、試行期間のベストプラクティスを共有することができる。一方、中小企業にとっても、SSDPの経験を積み、学生が入ることで食品安全の能力向上をはかることができる。

SSDPのロードマップは、2013年1月にプロジェクトを開始、専門家研修、サプライヤー研修を経て、6月にはSSDPを実践する予定の中小企業の事前評価を行い、7月からGFSIグローバル・マーケット・プログラムの基本レベルの指導開始、同時にインターンシッププログラムの展開も始め、10月には同レベルの審査を実施する。11月からは中級レベルに入る。指導に入る前の事前評価の結果を見ると、サプライヤー25社のうち、14社は基本レベル要件の30%以下のスコアであり、まだまだ食品安全の仕組みが浸透していない現状が明らかになった。

SSDPの課題は次の4つである。
①ほとんどのサプラヤーがインフラが足りない(基本的なGMP要件を満たしていない)。
②食品安全の技術的知識が十分ではない。
③技術面で最小限の資料しか持っていない。
④指導期間が祝祭期間中は延期になる。
対応策としては、メンターによる研修と指導の強化や、インターンシップ・プログラムの活用でSSDPを支援し迅速化をはかることなどを考えている。

Ahmad.jpg大学とイオンが共同でインターンシッププログラムを展開
【ハティーニ・アーマッド氏(写真)による講演】

卒業前の大学生に、実務的観点と実務経験を与えることで、大学生を産業に結びつけ、就職の準備をしてもらうことを目的とした、「SSDPを支援するためのUtara大学・イオンマレーシア共同インターンシッププログラム」を紹介したい。SSDPインターンシップは、①学生を食品加工の現場に触れさせる、②ベンダー・中小企業の向上(学生が派遣されることで、中小企業の技能が高まると共に、イオンの設定した基準を満たせるようになる)、③Utara大学・イオン共同モデルの実施、④HCD(人材開発)&技術共有の課題解決を促進させる、という4つの目的を持っている。SSDPインターシップによって、人材が開発され、イオンがリファレンス機能を果たすことになる。

SSDPインターシップのプログラムは、大学での勉学と、企業での実務体験など大学外での実地訓練を並行して3年間実施したあと、4-6カ月間の専門プロジェクトが行われ、インターンとしての実地訓練、指導者となるための訓練を受けるほか、食品安全審査員になるためのトレーニングなども受ける。

SSDPインターンシップの利点としては次の4つがある。
①学生が食品安全の専門家になることができる。
②中小企業の知識と経験を共有できる。
③現地サプライヤーは食品安全の専門家から知識を得ることができる。
④大学と産業間で新技術を共有できる。
このようにSSDPインターンシップは、大学にとっても、中小企業にとっても、イオンにとっても、非常にメリットのあるプログラムである。

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