品質MS

久米均さんのISO観(3)

1993年11月17日に実施した久米均さんへのインタビュー記事の連載第3回目。今回は国際的な相互承認の問題について。ポイントは「購入者が審査をどう評価するか」である。国際的な制度づくりのむずかしさが予見されている。

国際的な相互承認をいかに進めるべきか

質問 ISO 9000規格による審査登録制度において、国際的な相互承認に向けた動きが活発に行われていると聞いています。

久米 国際的な相互承認は、認定機関レベルで、かつピア・エヴァリュエーション(peer evaluation)の方式で行うということです。

質問 この結論について、どう思いますか。

久米  こういう方法しかないでしょう。もう1つの方法として、ISOが何も関与しないで、審査登録機関の間で自由に相互承認をやるという方法があります。そうす ると、力のあるところがお互いに相互承認の協定を結んでいくでしょう。私は最初のころ、そういう方法を想定していたので、当時のJMI(現在のJQA)に は、さんざん発破をかけました。国内もいいけど、国際的な動きもやって欲しいとね。実際、森田允史さん(取材当時はJQA理事、現在はJ-VAC代表取締 役)はよくやってくれました。

質問 今後は、認定機関どうしの相互承認が広まるのでしょうか、それとも審査登録機関どうしの相互承認が力をつけてくるでしょうか。

久米 実際は審査登録機関どうしのほうかもしれない。ピア・エヴァリュエーションで やって、本当のことがわかるという問題があってね、購入者が「△△審査登録機関でなければだめだ」と言い出さないとも限らない。「あそこじゃ、だめだ。こ このを受けろ」ってね。そうすると、いくらISOやIAF(認定機関の国際的なフォーラム)で相互承認をしているからといっても、購入者のほうでは「あそ こはだめだ」と言い出したら、それでつぶれてしまうわけです。

質問 認定機関どうしのピア・エヴァリュエーションを購入者がどう評価するかですね。

久米 国際的にやるなら認定機関どうしのピア・エヴァリュエーションという形でやらざるを得ない。というのは、審査登録機関は世界で500ほどありますから、とても1対1でなんてできない。ただ、そのようにピ ア・エヴァリュエーションでやって果たして効果があるのかどうかは、よく分からない。購入者の中には、「そんなものはだめだ」と言い出すところもあるかも しれない。事実、アメリカのビッグ・スリーは、ISO 9000規格にプラス・アルファを付けて、「自分たちが認めた審査でなければだめだ」と言っています。それはそれで私は1つの見識だと思います。ISOか らすると面白くないかもしれないが、購入者からすると、当然だという気がしないでもない。自分が知らない審査登録機関が審査したものを、どこまで信用でき るでしょうか。ただ、みんながこのようにやり出すと、この制度はつぶれてしまいます。▼

関連記事

  1. 仕入れ値をオープンにする
  2. 品質方針は「予防」
  3. 新経審施行後のCAの行方
  4. 国産ノートPC最後の砦 島根富士通・宇佐美社長に聞く
  5. 松本隆著:『ISO 9001に役立つTQM入門』Amazonから…
  6. 久米均さんのISO観(4)
  7. 【ISOS Review】 UNIDOのISO9001マーケット…
  8. リコーの先読みQMS

ピックアップ記事

飯塚悦功プロジェクト 2 「支援技術もバカにできないぞ」

飯塚悦功プロジェクト第2弾の映像を掲載します。第1回目の映像では、東大の修士を卒業した飯…

クライマーズ・ハイ

まだ「新聞記者」があこがれの職業だった時代です。大学を卒業して、すぐに奈良新聞に入りました。…

初夏のテナント事務所

ねえ、大家さん便器の暖房止めていい?…

いそいそフォーラム10周年記念研修会

1泊2日のいそいそフォーラム10周年記念研修会に参加しました。いそいそフォーラムはISOマネジメント…

「7.3.3 設計・開発からのアウトプット」

本日は、「7.3.3 設計・開発からのアウトプット」を見てみましょう。2008年版で変更になるの…

アーカイブ

ツール

規格

PAGE TOP