飯塚悦功プロジェクト

復刻 YouTube③ 「飯塚悦功プロジェクト9〜15」

現在、消えてしまったYouTube動画の復刻作業に取り組んでいます。本日は、2009年7月9日から2010年3月3日までにアップした「飯塚悦功プロジェクト9〜15」の動画を再掲載します。「飯塚悦功プロジェクト」は「15」が最終回です。(再生回数はゼロから再スタートしています)

飯塚悦功プロジェクト 9 「医療に品質管理の手法導入」

第9回目の映像は「医療に品質管理の手法導入」です。なぜ医療分野に品質管理の手法を導入することになったのか。それは病院での事故が多発し、何とか医療 の安全・安心を確保できないか、という思いからでした。病院に対して、主に工場などで活用されていた品質管理の手法を導入するだけで、医療安全・安心の底 上げができる–そういう確信のもと、この取り組みは始まりました。主な手法は2つ。1つはPCAPS(患者状態適応型パス)。これは患者の状態に応じ て、どのような対応をすればよいかを示す技術コンテンツです。もう1つは、QMS-H(Quality Management System for Healthcare)。病院がどのような品質保証体系図になっていて、どのような業務プロセスで動いているかを示すQMSモデルです。これは数年がかり のプロジェクトで、医療関係者だけでなく、社会全体で取り組むべき課題であるということで、東大の飯塚研究室(現在は水流研究室)の講座名も「医療社会シ ステム工学」という名称になっています。

飯塚悦功プロジェクト 10 「設備のトラブル防止・保全設計」

第10回目の映像は「設計のトラブル防止・保全設計」です。飯塚さんの研究グループでは、保全設計・保守管理計画立案の方法を美しく書こうと取り組んだの ですが、まだ詳細を書くまでには至っていない、道半ばの状態だそうです。この分野では、プロセスで品質と生産性を作り込む計画立案ツールとしてのQC工程 表が使えません。映像は3部に分かれており、冒頭は設備の状態維持設計に取り組んだ理由が述べられ、続いて、状態維持の品質管理のむずかしさが説かれ、最 後に、ある方が取り組んだトラブル予測のシミュレーターの話を紹介しています。

飯塚悦功プロジェクト 11 「ソフトウェアの産業競争力向上論」

第11回目の映像は「ソフトウェアの産業競争力向上論」です。飯塚さんは、ソフトウェア工学の分野は画期的な技術があるようでないので、日本は純粋に技術 で勝負するよりも、その技術をうまく使っていくためのマネジメントに力を発揮したほうがいいのではないか、日本人って、そっちのほうが得意だと思う、と提 言しています。飯塚さんは、そのための活動を随分前から手がけていて、日科技連のSQiPでは、運営委員長を10年以上務めているし、SESSAMEで は、中級レベルの組込みソフト技術者・管理者を日本で10万人育成するために取り組んでいます。競争優位要因として、「中級者が10万人もいれば、ちょっ とやそっとでは(他国に)ひっくり返せないでしょう」というのが持論です。

飯塚悦功プロジェクト 12 「ISOとシステム解析工学」

第12回目の映像は「ISOとシステム解析工学」です。YouTubeにはタイトルの長さ制限があるので短くしたのですが、ビデオで表示される正式なタイ トルは「データマイニング手法 & ISOとシステム解析工学」になっています。前半は「データマイニング手法」の紹介。クレジットカードの不正使用の1つとして「なりすまし」があります が、その対抗策にシステム解析工学を活用した話です。不正使用される時のカードの使われ方のパターンを分析して、「なりすまし」を見抜くというもので、実 際大きな成果を上げたそうです。後半は、ISOマネジメントシステムとシステム解析工学の関係が語られ、特にTQMの標準化政策として生まれたJIS Q 9005/9006の開発経緯の話がおもしろいです。講演などでは聞けない、飯塚さんの気の荒い江戸っ子口調が聞けます。

飯塚悦功プロジェクト 13 「品質の本質は『目的志向』だ」

第13回の映像は「品質の本質は『目的志向』だ」。「誰もいない森で木が倒れた。バサッと音がした。それを『音がした』と言いますか?」エイズ・コーディ ネーターとの対談の途中、飯塚さんは、このように相手に問いかけたそうです。この話は、認知・認識というのは、絶対的なものか、相対的なものかってことを 問いかけています。誰も見てないところで起きたことって、本当に「起きた」って言えるでしょうか? 絶対的な真実というものがあって、見ようが見まいが、 ちゃんと木は存在してるから、「倒れたんだ」と言ってもいいかもしれないけど、我々がビジネスをやって、取引を行う時には、取引の受け取り手が「良い」と 言わなければ、良いことにはならない。つまり、品質論っていうのは、絶対論ではなく、相手がいて成り立つ相対論です。このような話を含めて、飯塚さんの品 質思想の原点となった体験談が今回のビデオに登場します。飯塚さんのへのインタビューは3時間半にわたって行われたのですが、このくだりが出てくる今回の 8分間が一番話に熱が入っていたように記憶しています。

飯塚悦功プロジェクト 14 「Q-Japan構想の三本柱」

第14回の映像は「Q-Japan構想の三本柱」です。2003年11月8日に飯塚さんが日本品質管理学会会長に就任した時の就任演説で発表した「Q- Japan構想」が今回のテーマです。同構想の三本柱である「精神構造」「競争力」「社会技術」への思いを熱く語っておられます。中でも、1980年代に 品質管理のアプローチをサービス産業に導入したがうまく行かなかった、その理由は何か? についての解説が見事です。また、飯塚講演の十八番である「初代 と二代目」の話も、このビデオで視聴できます。

飯塚悦功プロジェクト 15(最終回) 「私の課題」

第15回(最終回)の映像は「私の課題」です。飯塚さん個人における学問上の課題と社会的課題について話していただきました。学問上の課題は、まっとうな 目的を設定するための方法論を極めること。例えば、最初に思いつく目的達成のための方法論の中にまっとうなものが必ず入っているようにすること。社会的課 題は、これまで自分を育ててくれた社会に対して恩を返したい。特にお国のために返したい。どういう形で返すのかというと、高度成長期のあの「強い日本」 を、全然違うパラダイムの中で実現することに役立ちたいとのこと。飯塚さんがどのような思いで学問に取り組み、社会的活動に取り組んでおられるのかが見え てきます。どうぞご視聴ください。

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