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ヒューマンエラー防止2原則

nakajou02.jpgヒューマンエラーに関する中條武志さんの研究は有名ですが、同分野に限った著作というのは出しておられないので(雑誌での論文掲載はありますが)、一度講演を聴きたいと前々から思っていました。そんな折、テクノファ主催による年次フォーラムが11月19日に開催され、お目当ての中條講演を聴くことができ、ラッキーでした。以下、中條さんのスピーチから取った内容です。

ヒューマンエラーに関して3つの誤解がある。ヒューマンエラーは、「注意力に よって防げる」「教育・訓練によって防げる」「検査・確認によって防げる」という誤解だ。これらは「人間を作業方法に合うように改善する」という方法だ が、エラープルーフするためは、作業を構成する人以外の要素、すなわち機器、文書、手順等の「作業方法」を改善しなければならない。これを図で表すと次の ようになる。

nakajou01.jpg

 

 

 

 

例えば、最近新聞などによく出てくる医療分野でのヒューマンエラーの現場は、この図の左のやり方で取り組んでいる場合がほとんど。この方法ではなかなか効果が出ない。一方、自動車分野などは、右の方法で取り組んでいる。

ヒューマンエラーの特徴について考えてみる。ヒューマンエラーの個々の発生率は一般的には非常に低い。例えば10のマイナス5乗としよう。しかし、ヒュー マンエラーというのは、あらゆる作業で、あらゆる人が起こす可能性がある。例えば10の6乗起こるとしよう。で、この両者を乗算して、ヒューマンエラーが 10回起こったとし、それに対して手を打ったとする。だが、10の6乗から10を差し引いた数、すなわち999990のヒューマンエラーが地下に潜ってい るモグラのように残されたままだ。このように発生したものにいくら対策を施しても、モグラたたきにしかならない。やはり未然防止が必要なのだ。

例えば、最近のマスコミ報道で、食品関係の社長さんが謝罪するときに必ず「再発防止に努めます」と言うが、再発防止ではダメだ。やはりここは「未然防止に努めます」と言ってほしい。

次のことが、ヒューマンエラー防止の2大原則だ。
1. 作業方法の改善を行う。
2. 未然防止活動を行う。

—————————————————–

ここまでが中條さんの講演の話。
さて、作業方法の改善の話の中で、中條さんはFMEAや対策データベースの話もされたのですが、そのような対策を講じても、なお失敗が起こるのはどうして でしょうか。例えば、自動車のリコール台数が販売台数に匹敵するのはなぜか。やはり管理技術だけでは足りないのではないか? 固有技術をベースにしたもっ と精緻なメッシュでの管理が必要なのではないか? そういう方向で10年前から提唱されている手法がSSMだと思います。で、私は今、これにはまっている次第。アイソスでも連載中です。も出ていますので、ご関心のある方は読んでみてください。

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コメント

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  • コメント (2)

    • えきせんとりっく
    • 2008年 11月 25日

    故、山本七平さんの「日本軍もの」に、旧軍内で言われていた「編上靴に足を合わせろ」という言葉が出てきます。支給される軍靴は、サイズが合わなくても、戦地では何とかするしかない。だから、足の方を会わせないと履くものがないゾ!という意味なのですが、花形兵器と言われていた「(大正)十年式榴弾砲」が、フランスのライセンス生産で、当時の日本人の体格と会わず、非常に使いづらい代物、つまりは「欠陥兵器」だったということと共に書かれています。
    なけなしの経営資源を活用するのは、マネジメントの仕事ではありますが、「欠陥システム」(?)を補うまでの訓練は、時間がかかりすぎて、慣れる前に事故を起こすという事になりますね。
    「システム的発想」をどう保っていくか、組織の状況が切迫してきた時に、これこそ、トップが真っ先に考慮すべきことなのでしょうね。

    • 中尾優作
    • 2008年 11月 25日

    えきせんとりっくさんへ
    まさに軍靴や十年式榴弾砲は、「人間を作業方法に合わせるように改善する」最も悲惨な事例ですね。
    ISOでも、同じ轍を踏まないようにしなければ・・・

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