JABのOBは審査機関に天下ってはいけない

審査機関のJAB認定一時停止が続発した時期が数年前にありました。その認定審査をした人たちは、当然停止をくらった側の審査機関からは敵意を持って見られるようになります。誰がその認定審査をしたかという情報は他の審査機関にすぐに伝わるので、その認定審査員は以後、審査機関側から「忌避」されることが多くなります。では、その方はその後、孤高の道を歩むのかというと、そうでもありません。

認定審査員を辞めたとたん、審査機関から「ぜひ、うちの機関へ」とお迎えが来る方も います。「あれだけ認定停止を出した方なら、これからうちが受ける認定審査には万全の対策を施してくれるはず」という思惑が、審査機関側にあるからでしょ う。認定審査員だけでなく、認定機関の上層部の方も、辞めた後に審査機関からお声がかかることがあります。正義感にあふれ、とても厳しく審査機関をみてい た方ほど、つまりJAB在職中に審査機関から嫌われていた方ほど、お声がかかる確率は高くなります。

審査機関がこういう方法でリスク対策を講じるのは、もともと財団法人系審査機関は監督官庁の役人を、業界系審査機関は業界大手企業の定年退職者を、天下りとして迎えてきた体質があるからです。

でも、JABさんって、天下り、嫌いでしょう? 経産省からも、国交省からも天下りを迎えずに、設立以来頑張って来たじゃないですか。だから、3年に1度 くらいの割合で経産省のシステム管理担当官が代わるたびに、「負のスパイラル」だの「信頼性確保のためのガイドライン」だの、嫌がらせを受けるわけで しょ。天下りを受け入れてたら、あんなこと言って来ませんよね。でも、そうやってこれまで天下りを拒否してきたのなら、 自ら天下るのもやめましょうよ。

認定機関の管理職や認定審査員は、審査機関に天下ってはいけません。天下るご本人は「審査制度の健全な発展のために」というお気持ちを持っておられるかも しれませんが、受け入れる側はそれとは逆の意図でその方を雇用しますから、結果として、その方は審査制度の健全な発展にならないことをするハメになりま す。というより、雇用される時点で、すでに健全な発展を妨げています。それは、天下りを受け入れていないJABさんご自身がよくご存知でしょう。

ISOに未練が残る気持ちはよく分かります。ですが、JABの管理職や認定審査員を退職した後は、潔くこの制度から身を引くべきです。それが、これまでスキーム最上部にいた人間の身の処し方だと思います。