名古屋にある外国人英語指導講師派遣会社の審査を取材しました。審査に使用された仕様は、「非公式教育・訓練のための学習サービスの国際規格」であるISO 29990:2010です。この規格はISO 9001と基本構造は似ていますが、学習サービスに特化したセクター規格なので、審査で学習サービスプロセスを詳細にみていきます。
この会社の仕事は、国内外から外国語指導講師(ALT)を募集し、書類審査や面接を 通じて適格者を選定しつつ、主要顧客である各地方自治体の小中学校のニーズとのマッチングを考えて、最終的にALTとして採用し、採用後は4日間の研修を 受けさせてから、教育現場に派遣するというものです。派遣後のフォローアップ研修も行っています。この研修の教官役を果たすのはスーパーバイザーと呼ばれ る人たちです。
審 査中に、スーパーバイザーが研修内容について審査員に説明する中で、非常に印象に残った言葉があります。それは、”Don’t explain. Demonstrate!”です。スーパーバイザーはALT研修生に対していつもそう言っているそうです。どういうことかというと、例えば英語がほとんど 聞き取れない生徒の前で、自分の名前を言ってみてください、と英語で説明しても通じませんし、楽しくもありません。では、どうするか。それを研修場面を撮 影したビデオを使って説明してくれました。(写真:研修内容を審査員に説明するスーパーバイザー)
これはほんの一例ですが、ビデオでは、ALT研修生は、”My name is Rose!”と大きな声で言いながら、手を大きく広げ、花が咲くようなしぐさを見せます。そのあと、手に持っていたぬいぐるみを、隣に立っている先生 (ALTは指導助手なので、実際の授業では単独で教えるのではなく、担任の先生や英語の日本人の先生が一緒に付き添っています)に投げます。そのぬいぐる みをキャッチした先生は”My name is John!”と答えます。この動作で、ぬいぐるみを受け取ったら、自分の名前を言うのだということを生徒に教えるわけです。これだと、感覚的に「ああ、自 分もぬいぐるみを受け取ったら、名前を言えばいいんだな」と分かりますし、このやり方は何やらゲームっぽくて楽しそうです。
「説明するな。やってみせろ!」
なるほど、と思いました。これは、小中学校の英語教育だけでなく、大人への教育・訓練でも言えるなあと思いました。楽をして、言葉による説明だけで済ませてはいけない場面って、多々ありますよね。
今年の4月から、小学校5・6年生で「英語」が必修化されます。これまでの2年間の試用期間を経て、本格導入が始まるわけです。当然、ネイティブの英語指導助手の需要は一気に高まるはずですから、まさに戦略的にみて、絶妙のタイミングでの認証トライだったと思います。
(詳細はアイソス4月号74-77ページ掲載)
中尾社長さん
お早うございます。。
本当に、お久しぶりです。。。
原田信夫師は、たおられてから、現在は、ご自宅で療養されてます。。
ただ、一の子分の土屋さんも私もお手紙を書く程度で、
お会いする事かなわずです。。。
御手紙などお書きになるようでしたら、ご自宅をお知らせしたいです。
ISO29990は、文部科学省と関連財団や、協議会が早い段階から、動いてましたが、注意ぶかく、行政の観点から動いてるようです。。
エコステージやPマークのように、なるべく安い費用で立ち上げる準備をしてました。。
天下り抜きを模索してましたが、この一号案件が起爆になり、天下りを得て、行政と一体で、強力に推進するかもしれません。。(福丸典芳さんがお詳しいですから。。。)
なおドイツでは、公的教育にも適用されてるようです。
ISO29990は、非公式教育向けの規格ですが、元教頭の桑原潤審査員が言うには、公教育にも導入したら、学校マネジメントは改善すると言います。。
なにしろ、我が家の一人娘にかける各種教育(水泳、ピアノ、算数塾)、ママの暴飲暴食補完のためのエアロビクスなど、家計負担に、もう。。。。堪らないのですが、パフオーマンスを検分できてません。。
そんな家庭が沢山、あるなと見てます。
朋友さんへ
原田さんのご自宅を直メでぜひ教えてください。原田さんは私がこの業界に入ろうかどうか迷っている時に背中を押してくれた師匠ですので。
<堪らないのですが、パフオーマンスを検分できてません。
確かに、おっしゃる通りです。だまされやすいのが学習塾やけいこ塾ですね。例えば、泳げない親が水泳教室で、音楽音痴な親が音楽塾で、英語が話せない親が英会話塾で、相手の教師の実力がわからないのでだまされますね。(朋友さんもISO塾なるものがあったら、だまされないでしょ?きっと)うちの子どもの場合も、何回かだまされました。そんなとき、きちんと外部からパフォーマンスを検分してくれるものがあると助かります。
これが今年のMy初投稿となります。 ご無沙汰しておりました。
> だまされやすいのが学習塾やけいこ塾ですね。
来年度6年生になるMyアホ息子にまつわる全く個人的な経験ですが、ウチの息子が通っている某学習塾は「まず目の前の子供を洗脳する」ところから始めるのが常套手段みたいです。入会しているコースの変更を親に勧める前にMyアホ息子に持ちかけて既成事実をつくろうとしていたのがミエミエだったので特大の光子魚雷を撃ちこんでおきました。 油断も隙もあったもんじゃない。
ISO14001の自覚の内容はまさにこれですね。
私は、審査員に「自覚したかどうかの記録は?」
(自覚した記録は要求事項じゃないけど)と問われたた場合、
「社員の行動や言動でわかります」と応えるようにしています。
もう、そんな質問をする審査員は絶滅したんだっけ?
立花さん、こちらこそ、おひさです。
なるほど、子供に持ちかけて既成事実をつくろうという手口は私も遭遇したことがあります。
私と息子が一緒に塾長と面談したことがあって、塾長は既存の受講コースにさらに2、3本新規のコースを勧誘するのですが、しきりに息子へ「この分野は勉強しておいたほうがいいよ!」と力説するわけです。ほとんど無視された私は孤独のあまり、量子魚雷を発射しました。
イソハドーグさんへ
子ども相手にものを教えていると、考え方がシンプルになると思います。
動作を交えて子どもに英語で語りかけると、相手がそれを理解しているかは、次に出てくる子どもの表情や発言ですぐに分かります。少年野球で子どもにある方法を教えると、次のプレーでそれが少しでも理解されているかどうかを知ることができます。
子どもが相手だと、その場で即座に、相手が自覚しているかどうかを確認しています。だから、かなり自信を持って、相手の「行動や言動でわかります」と言えるのですが、相手が大人になったとたん、この確認がすごくおろそかになりますね、私の場合。