2011年2月9日にテレビ朝日で放送された報道型バラエティ番組「池上彰の学べるニュース3時間SP」の中で、池上氏が「ISO」について6分ほど解説をしておられましたが、その中で「ちょっと変だ」と思われる個所を指摘しておきたいと思います。
1. JISマークの誤り
解説が始まって1分ほどしてから、JIS規格について触れていますが、画面で表示されたのは旧JISマーク(2008年9月30日に終了)でした。これについては、すでにテレビ朝日「そうだったのか! 池上彰の学べるニュース」公式サイトで、お詫び文が出ています。
2.規格番号及び規格名称の誤り
「9011⇒監査の指針」
お しい! 正解は「19011」です。現在のISO 19011は2002年版で、「品質及び/又は環境マネジメントシステム監査のための指針」という名称ですが、現在改訂作業中で、年内には「マネジメント システム監査のための指針」という名称で2011年版が発行される予定です。
「14010⇒環境監査」
14010 はすでに廃版になっています。14010の進化形が19011なんですが、すでに19011を間違って表記していましたから、これを間違えるのも無理ない かもしれません。監査規格については従来、品質がISO 10011-1、2、3の3つ、環境がISO 14010、14011、14012の3つがありましたが、両立性の観点から一本化され、現在ではISO 19011となっています。
「9004⇒パフォーマンス改善の指針」
これは旧版(2000年版)の名称です。現在のISO 9004:2009の名称は「組織の持続的成功のための運営管理 – 品質マネジメントアプローチ」です。
3.認証機関の数
「認証機関というのが国内に50くらいあり」
何をもって50と言っているのかが、分かりにくいですね。品質も環境も両方審査している国内の認証機関は、JAB(日本適合性認定協会)が把握している数で言えば62あります。この中でJABの認定を受けている認証機関は46です。
4.認証機関の審査に関する表現
池上さんは次のように認証機関の審査を説明しています。
「認証機関が審査をする。『ISO 9001を取るためには、これだけの改良が必要ですよ』といろいろアドバイスをしてくれますから、それに合わせて、それをちゃんとやっていかないと、お墨付きをもらえない」
これは認証機関がコンサルティングをしているかのような誤解を受ける表現です。認証機関のアドバイス通りに対応すれば認証が取れると、視聴者は思うでしょ う。審査登録におけるコンサルティングは禁止されており、これについては認証機関に対する要求事項であるISO/IEC 17021に明記されています。
以上が、私の気づいたことです。この番組は毎週水曜日に放送され、多数の視聴者が見ているだけに、影響力が大きいと思います。ネットでの反響を見ると「ISOのことが良くわかった」といった評価が多数出てきます。それだけに、正確な報道をお願いしたいところです。
放送中に私は、これらの誤りをいそいそに投稿してエンジョイしてました。それにしてもひどかった。
脱力感一杯な解説ですねぇ。
他の解説も当事者にとってはこれぐらい脱力させるものなのか
それとも、MS特有の事情なのでしょうか。
・・・・どっちにしても困ったものですね。
で、幸か不幸かリアルタイムに見ていないのですが、もしかして
「ISO=MS」というところから入っているのでは。
「フィルム感度やISOネジと同じISOなんだよ」ってところは
触れられたいたのでしょうか??
ま、そんなことはまぁ良いかってことにしておいて、春からは池上
さんも「お暇」になられて色々と取材をしたいってことらしいので
これを機に「ISO、MSとはね」ってネタ提供&取材申し込み
なんてどうっすか。シャッチョさん。
私はリアルタイムでは見ていません。
イソハドーグさんのいそいそフォーラム投稿を読んで気になっていたのですが、投稿を読んだ時はもう放送は終わっていました。
で、本日ようやく下記のサイトで見ることができました。
http://varadoga.blog136.fc2.com/blog-entry-1649.html
<「フィルム感度やISOネジと同じISOなんだよ」ってところは触れられたいたのでしょうか??
ええ、この解説はまさにイソネジから入っていましたね。
アイソス企画『池上彰に学ばすISO解説』
という特集でもやりますか。実は、初心者への解説という趣旨で。
いくら池上さんでも、レギュラー番組にしちゃうと
知らないことを受け売りでやらざるをえなくなっちゃう
のでしょうね。
そりゃ、降板したくなるってもんですわ。
私も仲間から面白かった(面白くなかった)という評判を聞いてましたが、実際の放送は見てませんでした。
とりあげてくれた中尾社長に感謝!
しかし、私はこれから思ったのですが、池上さんが今まで語っていたことも真実じゃなくて受け売り、思い込み、推察が多かったのではないかという気がします。
似たようなことですが、講演にいって講師が語ることが私の知っていることでひとつでも間違っていると、知らないことについても間違っているのではないかと不安を感じますね、
やはり人間は知っていること、自信のあることのみを語るべきです。
知らないことを語っても意味ありませんから。
総務から例年の如く、新入社員向けにISOの講義の依頼がありました。メンドー臭いので、最初の入口はこの解説をダウンロードして流そうと思います。お陰で楽させてもらえます。
所々で、「ここは間違ってます」なんて解説を入れると、オタクだと思われそうですが(^^;)
確かに池上さんのISO解説というと、新人も興味津々かも。あとは間違いをいかに興醒めにならないように伝えるかですねぇ。
昨年から、ISO関連に携わっている周囲の方は
「メディアの影響力は強いけれど、真実がどこにあるのか
わからないので、テレビは見ない」という方が多いです。
中尾様は、お目にかかった事がありませんが
同じ業界出身かと。
学会報告の際に「貴方、それ解釈違ってます」と
どこぞの大学教授や理事を、差し置いてでも
指摘する事が多くなりました。
範囲を聞けば、ドンピシャで含まれているのに何のMSを
維持されているのか、わかっていない。
でも、JAB認証になってしまう。
例え、人生の先輩であっても、
正しい解釈がされていない方には憤りを感じます。
<中尾様は、お目にかかった事がありませんが同じ業界出身かと。
おっしゃるとおり!
人に与える影響力という点では雲泥の差はありますが、報道する側として同じ穴のムジナであることは確かです。私も知ったかぶりに気をつけなければなりません。