Food Safety Day Japan 2013(6) グローバル・フード・セーフティ・ネットワークの日本事例

GFSI(Global Food Safety Initiative)主催による「フード・セーフティ・デー・ジャパン 2013」の初日最後の講演は、グローバル・フード・セーフティ・ネットワークの日本における取り組み事例を紹介。サントリーホールディングスの品質戦略部課長の森川恵介氏が「サントリーグループにおけるフードディフェンスの取り組み」について、東急ストアの執行役員コプライアンス室長の神木良和氏が「グローバル・フード・セーフティ・ネットワーク 小売業の見解」について、東洋製罐の環境・品質保証・資材本部環境部部長の桒原友明氏が「グローバル・フード・セーフティ・ネットワーク サービス・プロバイダーの見解 GFSI認証の取り組み」について、それぞれ講演を行った。

suntory.jpg3年計画でフードディフェンスを展開
【森川恵介氏(写真)の講演】

中国製冷凍ギョーザによる食中毒事件がきっかけで、サントリーグループもフードテロ防衛力強化の考え方を取り入れ、2009年から「意図的異物混入」の防御を始めた。FDAにはこの防御のための方法論があるが、高度で使いこなせないので、サントリー方式で行うことにした。

サントリーホールディングスの品質戦略部が、グループの国内工場を対象にして、フードディフェンスを3年計画で進めることにした。まずモデル工場を指定し、そこで、いろいろな改善を実施、その知見を2年目から他の工場に展開し、3年目には、改善ができているかどうかを検証した。

具体的な改善事例としては、水処理タンクカメラ設置、建屋出入口のアクセス制限、扉開放時アラームの設置、施設周辺へのセンサーの設置、出入口付近へのカメラ再配置、シャッターのアクセス制限(IC)など。

fまた、下記の3点ができるかどうかを検証した。
・映像記録を取り出すことが可能
・不審者をカメラで捕らえることが可能
・不審者の行動をトレースすることが可能
これらができることを検証し、「品質保証カメラ」(サントリーでは防犯カメラのことをこのように呼ぶ)の有効性が検証できた。

これらのことをモデル工場で実施し、この方法を他のサントリーグループの工場にも展開した。さらに、当社だけでなく、委託先工場にも同様のことを推進している。

tokyuu.jpg食品安全にはサプライチェーン全体の納得性が不可欠
【神木良和氏(写真)の講演

小売業として、これからの食品安全に必要なことは次の7点である。
①グローバルとローカル、両方の食のサプライチェーン全体に対応すること。サプライチェーン全体の納得性がないとダメ。
②すべての人が同じ食品安全の言葉を用いること。食安全は共通の基準と言葉が必要で毎年進化しないといけない。
③ひとつの国、ひとつの企業を超えて情報を共有する。サプライヤー、卸、流通業、消費者が協力する必要がある。
④他の国、他の企業、他の分野から学ぶこと。良いことは、学び、自国、自社に合わせて対応する。
⑤お互いの文化を尊重すること。
⑥すべての消費者と食品業界全体にとってのベストソリューションを協力して考えること。ここでもグローバル(全店舗、全消費者)に考え、ローカル(個店、一人一人の消費者)に対応する。
⑦これから訪れる多くの課題への挑戦を共に楽しみ、共に取り組むこと。見える化、効率化、継続化が重要。

重要なポイントは、グローバル基準を共有し、オプションでローカル対応すること。これが消費者にとって分かりやすい共通の物差しであり、消費者と企業にとってはコスト削減にもつながる。

toyoseikan.jpg会社業績に貢献するツールとしてのFSSC 22000認証
【桒原友明氏(写真)の講演】

当社のQMSはサイト認証で、成果が出ていなかった。一方、EMSはマルチサイト認証で重くて回らない状態だった。経営層から、GFSI認証に対して、成果の出る企業業績へ貢献する生きたシステムを求められた。そこで、認証規格はFSSC 22000とし、2年計画でQMS/EMSへの統合に取り組むことに決定した。

ISO活性化塾・代表講師の原田充裕氏の考え方を取り入れ、会社業績に貢献し、経営のツールとして使えるものにしようと考えた。5Sベースで、全員参加の取り組みを行い、目指すゴールは認証取得ではなく業務効率が上がる夢の達成とした。2012年にFSSC 22000認証を取得し、2013年には複合審査で統合MSの認証を取得した。
(認証取得後、工場がどう変わったかを工場長や従業員が話すというビデオを上映)