Food Safety Day Japan 2013(1) GFSI理事長のスピーチ

GFSI_ive.jpgGFSI(Global Food Safety Initiative)主催による「フード・セーフティ・デー・ジャパン 2013」が本日午後、ホテルオークラ東京で開催された。このイベントは今年で第6回目となり、本日午後と明日(終日)の1日半にわたって開催され、340名の参加者が登録されている。司会・進行は日本コカ・コーラ 技術・サプライチェーン本部 品質保証・オペレーショナル・エクセレンス サプライヤーマネジメント部長の瀬在祥生氏が担当。冒頭、食品安全の歴史を紹介した3M社提供によるビデオが放映されたあと、スピーカーによる講演に入った。本稿では、プログラム冒頭、GFSI理事長であり、ダノンの品質管理・ジェネラル・マネージャーであるイブ・レイ氏(写真)が『21世紀のフード・システムにおけるGFSIとその役割』をテーマに行った講演の内容を紹介する。

グローバル基準はローカルレベルでカスタム化が必要
【イブ・レイ氏による講演】

世界のグローバル化が進んでおり、その流れは一時的なものではない。あらゆるステークホルダーが力を合わせて、消費者に安全な食品が提供できるように、力を合わせなければならない。現在の世界の人口は70億人だが、2050年にはこれが90億人にまで増加すると言われている。それだけの人口を養うだけの食料を確保する手段が必要になってくる。

グローバルなフードシステムが、かつてないくらい複雑になってきている。疾患検出技術はますます高度なものになっているが、一方で、新たな病原体が出現し、疾患弱者が増加している。「社会的弱者」が全体の25%を占めており、弱者に対しても安全な食料を提供することが重要な課題になっている。

このようなグローバル化の中、食品安全については、競争優位性ではなく、共通のビジョンを掲げる必要がある。また、食品安全規格は、科学的な基礎に基づいたものでなければならない。規格の国際整合化は、食品の世界貿易の振興にもつながる。

「協働」は、GFSIの重要な取り組みの1つである。安全な食品は、人々の健康、国の経済にも影響を与え、社会安定における根本的な要求事項である。官民が手をつないで協力する必要がある。

GFSIの目的は、どのような場所であれ、安全な食品を消費者に届けるということ。
そのためにチームを作り、世界の先進的な専門家が集まってメンバーとなっている。私たちの基本戦略は、①主要な組織ならびに規制当局との関係作り、②第三者認証に対する信頼醸成、③能力育成、④地理的拡大(グローバル化への対応)の4つである。

具体的な活動としては、GFSIはガイダンス文書を作成し、それに基づいて、さまざまな食品安全マネジメントシステム(以下、MS)のベンチマーキングを実施し、承認している。ガイダンス文書は日本語に翻訳されており、ウェブサイトから無償でダウンロードすることができる。GFSIは、このガイダンス文書の適用範囲を拡張し、サプライチェーン全体を網羅するアプローチをはかることを目指している。

GFSIでは、食品安全MS審査員の力量向上をはかるためのワーキンググループを設置しており、資格付与のためのコスト低減とメリット拡大、育成に関する明確な道筋の提示を行っている。また、審査の有効性を調査し、その実績の明確化と今後の課題を洗い出し、年末までには、審査でどういったメリットが得られるをまとめる予定である。

官民連携にも積極的に取り組んでいる。米国では、食品安全近代化法が数ヵ月後に発行されるが、GFSIでは、これを承認するための交渉を実施しているところである。また、中国では、中国HACCPの食品安全に関する文書が、GFSIガイダンス文書に準拠したものとして発行されることになっている。このほか政府だけでなく、国際機関ともパートナーシップを結んで、連携をはかっている。

GFSIはグローバルな基準を作っているわけだが、その実施は、ローカルレベルでカスタム化する必要がある。GFSI日本ローカルグループの活動はその好例である。

GFSIが提供している「グローバルマーケットプログラム」は、食品安全の取り組みのあまり進んでいない中小企業向けのプログラムであり、体系的な継続的改善を推進することで、効果的な食品安全MSの構築ができる。

最近問題になっている食品偽装の問題を取り上げたい。金銭目的による食品偽装は、ビジネスに悪影響をもたらし、従来の食品安全ハザードよりも健康リスクが高いことがしばしばある。これはHACCPでは対応できないので、脆弱性アセスメントと管理計画を立てて対応する必要がある。食品の供給がグローバルになっているので、食品偽装に対する管理もグローバルにしなければならない。官民連携も重要であるし、学術的な知識も必要になる。ミシガン州立大学食品偽装研究所は、新しいテスティングモデルを開発した。それは、ミルクに汚染物質が入った場合、その物質がどのようなものかを特定できなくても、汚染物質が入っていることを検知できるというものである。食品安全は時限爆弾対策のようなもので、いつ爆発しても対応できるようにしておく必要がある。

GFSIがこれから何をやろうとしているのかは、2014年2月26日からアメリカ・アナハイムで開催される「世界食品安全会議」に参加すると、新たな情報が入手でき、ベストプラクティスを共有することができると思う。ぜひ、みなさんに参加していただきたい。