月刊アイソス主催による「なぜなぜ分析セミナー」を10月28日に東京で開催しました。講師は門岡淳さん(写真)です。世の中にはさまざまな「なぜなぜ分析手法」がありますが、門岡さんのはあくまで「是正処置のための」という枕詞がつきます。「不適合の原因を論理的に特定し、必要かつ十分な是正処置を立案する手法」、これが門岡さんの「なぜなぜ分析」です。セミナーは24名(4人1組で6つのグループに分かれていただきました)の参加者を迎えて実施されました。
すでにアイソスの6回にわたる連載で門岡さんの手法は紹介されていますが、今回は新ネタも持ち込んでいただきました。その目玉が「事実・原因をもれなく見つけるためのチェックリスト」です。人(Man)、物(Machine)、計画・手順(Plan/Method)、実施(Do)、監視及び測定(Check)という5つの要素別にA4用紙で4ページにわたる詳細なチェックリストを披露していただきました。ちなみにActがないのは、なぜなぜ分析をして是正処置を行うこと自体がActに相当するからです。
このチェックリスト、門岡さんのウェブサイトである「マネジメント道場」にはまだアップされていませんが、項目だけはすでに記入されているので、やがて追補としてアップされることと思いますよ(要望!)。
このほか講義で印象に残った言葉は、「マネジメントシステム外の物理的・社会的・心理的原因には対策なし」です。
例えば、「機械が壊れて操業できなくなった」としますと、物理的原因を「壊れる機械を使った」としたとしても、壊れない機械は作れません。機械は壊れるものです。ですが、「予備機を用意していないかった」が原因であれば、予備機を用意することはできます。
例えば、「現地からの原料供給が止まった」としますと、社会的原因を「現地で内戦が発生した」としたとしても、一企業の力で内戦をなくすことはできません。しかし、「他の購買先を確保していなかった」を原因とすれば、他の購買先を確保することはできます。
例えば、「手順を抜かした」としますと、心理的原因を「ウッカリした」にしたとしても、人をウッカリしないようにさせることはできません。人はウッカリするものです。ですが、「手順を抜かすと次の手順に進めないようにしていなかった」を原因とすれば、手順を抜かすと次の手順に進めないようにすること(ポカよけ)はできます。
といった説明をされました。我々は日常の仕事の中で、しょっちゅう、「だって機械が壊れたんだから」とか「不測の事態が起きましたので」とか「ウッカリしてました」とか言って、思考を停止してしまうことがよくあるものです。肝に銘じておきたい言葉です。
講義のあとは約1時間かけてグループ演習が行われました。この演習は、講師が出したある事例に対して、グループごとに「なぜなぜ分析表」を作成するというものです。事例を読み取り、不適合事象を決め、それに対
し、1why、2why…と原因を書きます。今回の演習では是正処置とその採否は書きません。この作業のあと、各グループの代表者が、自分たちで作成した「なぜなぜ分析表」を発表し、それに対して門岡さんが講評を加えました。最後の演習は、なかなか活発な意見交換があって、盛り上がりました。
門岡さん、お疲れ様でした!
ありがとうございました!
セミナーの次の日に門岡さんにお会いしました。
私もなぜなぜ分析で慣れないうちは対策が書けずに苦しみました。
「もう少しお話できれば」と後悔してます。
アイソスのバックナンバーで自習します。
マネジメント道場は面白いので、一度見られることをお奨めします。
みなさん,こんにちは。門岡 淳です(^-^)。
>追補としてアップされることと思いますよ(要望!)。
→遅くなりましたが,アップしています。
>マネジメント道場は面白いので、一度見られることをお奨めします。
→ありがとうございます(^-^)。なるべく読みやすく(面白く?)書くように努力しています。
<マネジメント道場は面白いので、一度見られることをお奨めします。
アイソスのセミナーの後、セミナー資料の掲載だけでなく、解説記事がたくさん掲載されています。ホント、拡充されましたよね。