リスクは「未来の指標」

nogushi_backリスクというのは基本的に「未来の指標」だということを意識する必要があります。ISOマネジメントシステム規格が「リスクベースの考え方をしてください」と言ってきたのは、「未来の予測に基づいてマネジメントをしてください」という意味なのです。ところが、日本のISO 9001/14001に取り組む組織において行われてきたリスク対応というのは、多くの場合、過去の分析になっています。

(中略)

これまでの日本のマネジメントは基本的に再発防止の考え方が中心でした。問題が起きてから対応するという問題解決型です。品質や環境で起きた問題を「リスク」として捉え、それをどうやって解決するかというアプローチです。しかし、これから大事になってくるのは、企業にとって良い品質、良い環境とは何かということをしっかり認識したうえで、重要なリスクを考えることです。この視点が今回の規格で問われているわけで、そこを特に意識していただきたいと思います。リスクマネジメントというのは、起きてから手を打つのではなくて、起きる前にその可能性をチェックして対応する、つまりマネジメントの考え方そのものなのです。

(月刊アイソス6月号 Viewpoint this month:野口和彦・ISO/TMB/WG/RM〈リスクマネジメント〉日本代表委員/横浜国立大学 リスク共生社会創造センター長へのインタビュー記事から抜粋)