「4.2.1 一般」

今日は「4.2 文書化に関する要求事項」の「4.2.1 一般」です。
この条項の2008年版での変更点を理解する上で重要なことは、
1. 記録は文書の一種であること、
2. 記録を作成と、記録の管理は別の条項で規定したこと、
この2点です。

 

まず1.について。「4.2.3 文書管理」の第一パラグラフに「記録は文書の一部」と規定されていることから、2000年版の「4.2.1」のa)〜e)のように文書と記録を別立てにせ ず、同じ区分で取り扱うことから、a)〜d)の4項目に整理されました。変更点は以下の通り(原文の下線は追加、横線は削除)。
(ISO/FDIS 9001:2008)
c) documented procedures and records required by this International Standard, and
d) documents, including records, needed determined by the organizaiton to be necessary to ensure the effective planning, operation and control of its processes. and
e) records required by this International Standard (see 4.2.4).

(JIS DRAFT 9001:2008)
hirabayashi.jpg c) この規格が要求する”文書化された手順”及び記録
d) 組織内のプロセスの効果的な計画、運用及び管理を確実に実施するために、組織が必要と決定した記録を含む文書次に2.についてですが、9月26日に大阪で開催されたJRCA講演会で、TC176/SC2委員の平林良人さんが、このあたりを簡潔明瞭に説明されましたので、それをここに紹介しましょう。(写真はJRCA講演会で講演する平林良人さん)

「記 録の作成の要求は、『4.2.1 一般』ですでになされているので、『4.2.4 記録の管理』では、2000年版の記録の作成に関する規定は削除し、作成された記録の管理に関する要求事項だけを規定することになりました。つまり、記録 の作成は『4.2.1』、記録の管理は『4.2.4』で要求されているということです。本文中には(4.2.4 参照)が21個所出てきますが、それは『作成した記録を 4.2.4 に基づいて管理しなさい』という意味です」

このほか、注記1に次のような文章が追記されました。
(原文及びJISの下線が追加された個所)

NOTE1  Where the term “documented procedure” appears within this International Standard, this means that the procedure is established, documented, implemented and maintained.  A single document may address the requirements for one or more procedures.  A requirement for a documented procedure may be covered by more than one document.

(JIS DRAFT 9001:2008)
注記1 この規格で”文書化された手順”という用語を使う場合には、その手順が確立され、文書化され、実施され、かつ、維持されていることを意味する。一つの文書は、一つ又はそれ以上の、この規格で規定する”文書化された手順”を含んでもよい。この規格で規定する”文書化された手順”は、一つ以上の文書に含めてもよい。

追 記によって、よけいに不明確になるような文章です。要は、1つの文書に複数の”文書化された手順”が含まれてもよいし、”文書化された手順”が複数の文書 に含まれていてもよい、ということです。なぜこんな細かいことまで言わなければならなかったのかというと、海外では、「1つの”文書化された手順”は、1 つの文書に収めるべきである」と主張する審査員がいたからだそうです。ヤレヤレ。