「8.3 不適合製品の管理」

今日は「8.3 不適合製品の管理」について述べてみます。

2000年版では、この要求事項の最終パラグラフは次のようになっています。
「引渡し後又は使用開始後に不適合製品が検出された場合には、組織は、その不適合による影響又は起こり得る影響に対して適切な処置をとること。」
在庫を持たず、
プロセスの実現がそのまま顧客への納入の形をとるサービス業で、
この最後のパラグラフは高く評価されました。
「確かに、『7.5.2』でプロセスの妥当性確認が要求されているけど、
これがうまくいけば、苦労はせんよ」
サービス業にとってはまさに
「我が意を得たり」だったわけです。

ただ、この「8.3」はそもそも、
不適合製品が「誤って使用されたり、
又は引き渡されることを防ぐため」の要求事項ではないのか、
なのに、最後のパラグラフでは、
使用開始後や引渡し後の不適合製品への処理についても
要求しているではないか、
これは、矛盾している!
そういう声も規格ユーザーから出てきました。

とはいえ、「8.3」のタイトルは、
「不適合製品の使用や引渡しを防ぐための管理」ではなく、
あくまで「不適合製品の管理」ですから、
堅いこと言わず、使用開始後や引渡し後の処理についての
記述があっても構わないでしょう。

ただ、使用開始後や引渡し後の処理というのは、
「8.3」の真ん中部分に出てくる
「不適合製品の処理」の1つであるはずです。

現行規格は「不適合製品の処理」として、
a)、b)、c)の3つしか書いていませんが、
ここに新たに d)として、最後のパラグラフ、
「引渡し後又は使用開始後に不適合製品が検出された場合には、
組織は、その不適合による影響又は起こり得る影響に対して
適切な処置をとること。」
を加える方向性で、ISOでは議論が進んでいます。

2件のコメント

  1. 私は矛盾はしていないと思いますよ。「不適合製品の管理」は、製造の現場で発見された不適合製品の誤出荷防止の処置だと思います。また、サービス提供の場合は、あらかじめの不適合というのはありません。常に実施(サービス提供)後ということで、気が付けば「不適切サービス」として修正または是正処置をとることにすればよいのです。
    現実の話として、出荷品はすべてが良品というわけではないのですから、引渡し後や出荷後に発見された場合の処置が規定されていることは当然だと、と考えています。

  2. ボクは、ナカナカ上手い具合に作っている規格要求事項だと思います。
    ISO9001は元々、ある組織に対する要求事項です。
    出荷後に関する最終パラグラフは、別の組織のQMSに入り込まざるを得ません。で、“そうそう、コレも忘れちゃいけないよ”って最終パラグラフに出荷後のコトを入れるなんて、気が利いていてステキです(^^)。
    原文(2000年版)は、
    shall take action appropriate to the effects, or potential effects
    ですが、considering stakeholdersなんてのが、見え隠れします。
    d)に入れちゃったら、第1パラグラフの目的も変更しなくちゃなりませんからね。

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