イオンがカーボンフットプリントに取り組む理由

574-5962-100217uehara.jpgカーボンフットプリント制度(商品またはサービスのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算して表示する仕組み)の試行事業において、いち早くPCR(商品またはサービスごとにCO2に換算した排出量の算定基準)認定を受け、国内販売を開始したイオンのPB商品。流通大手とはいえ、非メーカーが製品のライフサイクルをトレースして排出量を算出するには相当な手間と人材がかかる。かといって、カーボンフットプリント(CFP)のマークを貼付した商品が今後一気に売れ始めるのかというと、知名度からいって、まだそんなに大きな期待は持てない。では、CFPに取り組むことは、イオンにとってどのような投資効果があるのだろうか? イオン株式会社グループ商品最高責任者付の植原千之さん(写真)に聞いてみた。

ムダをみつけるためにCFPというテクニックを使う

─CFPに投下した分だけのコストを、CFP商品の販売で取り返せますか?

植原:CFPを貼付した商品を販売することで、PCRに基づいて計算するという手間やコストを吸収するということを目指しているのではありません。自分たちでムダを見つけるために、CFPというテクニックを使っているのです。我々にとっては、事業改革、マネジメントを変えていくツールとして、まずCFPというのがあるのです。

─「ムダを見つけるため」というのは、具体的にはどのような取り組みになるのでしょうか?

209-100217CFP.jpg植原:CFPの対象となっているPB商品を作ってもらっている、ある食品メーカーの経営者は「コストを下げろ、コストを下げろと社内で言っても、社員は何か追い詰められるような気持ちになるばかりだ。しかし、CFPの取り組みというのは、環境に良いことをやっているという誇りがあるので、社員も能動的に取り組んでくれた。仕事の中の環境面でのムダを取り除いていくことによって、『CO2が減ったよ』という社員の嬉しそうな声が上がる一方で、結果としてそれがコスト低減にもつながっていることに気づいた」と話しておられました。サプライヤーさんとイオンとの間には、従来からムダをなくしてコストを下げていこうという共通認識がありますが、今は違う言葉で、つまりお互いに「環境のムダ」を見つけ出そうとしています。結果的に、それがコスト低減に結びつく余地もあるはずですから。
(詳細はアイソス5月号で紹介)