上妻義直さんが報告した”The Day After”

日本でカーボンフットプリント(CFP)マークを貼付した製品の市場流通が始まったのが昨年10月、貼付製品の店頭販売が始まったのが今年2月。なので、日本のCFPって、まだ始まったばかりなのですが、早くもCFPの目玉である数値表示をやめようという動きが欧州で出てきているという報告が発表されました。CFPでは、商品またはサービスからライフサイクルを通じて排出される温室効果ガスをCO2に換算した相当量を「△△g」といった感じで数値表示しています。その表示をやめるわけですから、何のためのCFP(もともとCO2を数値表示だけで簡単明瞭に見える化しようというのがCFPの開発意図ですから)やら分かりません。

20100525kouzum.jpgこの報告は、5月25日に東京で開催された「カーボンマネジメントシステム研究会」設立記念講演で上智大学教授の上妻義直さん(写真)が講演『カーボンラベル・ザ・デイ・アフター(欧州カーボンラベルのその後)』の中で発表したものです。その講演ではスライドを使って、欧州で使用されている数値表示のないCFPラベルを貼付した製品の写真が紹介されていました。「CO2換算の数値だけでは、その製品を作っている企業がどれだけ環境にヨイことをしているかどうかを測れない」「そもそも表示された数値の算定方法自体が厳密なものではない」といった批判が噴出していることが原因のようです。2006年に英国で始まったCFPは、欧州ではその後(ザ・デイ・アフター)こうなっているのだ、というわけです。

今年2月に開催された経済産業省などが主催した「カーボンフットプリント国際ワークショップ」では、世界中がCFPに積極的に取り組んでいる様子が報告され、当たり前かもしれませんが、CFPに数値表示をしない動きがあるというようなネガティブ報告はありませんでした。実際、上妻さんが報告されたような動きが欧州で高まっているとすれば、日本のCFP制度にもやがて影響を与えることでしょう。これも数年遅れでザ・デイ・アフターが来るのでしょうか。