内部監査のあとに、今行われたばかりの内部監査のやり取りを視覚化した図を見ながら、監査側と被監査側が一緒に振り返る。そういう試みが、大阪で行われ、取材してきました。
内部監査に、監査側でも非監査側でもない人が1人立ち会い、監査でのやり取りを模造紙にマーカーを使って、ひたすら記録していきます。記録といっても、文章による議事録のようなものではなくて、話し合われている内容のキーワードを抽出し、それらがどのように結びついているかを連関図のように描いていきます。「マインドマップ」や「ファシリテーション・グラフィック」のような視覚的な手法です。とにかく、ここではこの図のことを「監査マップ」と言っておきます。
ただ、内部監査中は、監査側も被監査側も、その監査マップを見る余裕はありません。監査側は問いかけることに、被監査側は答えることに専念しています。なので、監査マップが生きてくるのは、監査が終わってからです。
監 査後に、監査マップを見ると、監査でのやり取りの要点が短い言葉で表現され、それらがどのようなカテゴリーに属し、他のどのような要点と関連しているのか がひと目で分かります。今やったばかりの2時間の監査内容が視覚化され、何が大元になっている問題なのか、どこをもっと突っ込むべきだったのかといった課 題が見えてきます。
取材当日、経営者を対象とした内部監査も実施され、その監査後に監査マップを見ながら、監査側と被監査側とが一緒になって10分程度の議論が行われまし た。あとで社長から感想を聞くと、「監査中は、監査員とのやり取りに集中しているので、1つ1つ、個別の問題に対応しているといった感じだったが、こう やって模造紙に描かれた図を見ると、今監査でやっていたことは、実はシステムの問題なんだと再認識できる。また、内部監査中は興奮気味だった気持ちも、監 査後にこの模造紙を見ながら振り返ると、クールダウンしてくる」と述べておられました。
このとき、模造紙にひたすら監査マップを描いておられたのは、山上裕司さんで す。山上さんは、内部監査後に、自分が描いた図についてコメントを述べ、監査側・被監査側から感想を求めておられました。山上さんは「今回自分がやったよ うな、内部監査に直接参加せず、第三者的にクールに内部監査を見ながら、そのやり取りを絵にしていく人が、社内に1人いてもいいのではないか」と述べてい ます。
(今回の取材記事はアイソス2月号に掲載する予定です)
これは面白そうですねぇ。(^^)
将棋や囲碁の棋譜を分析して「この時のこの一手が決め手になった」とか「ココでこう受けていたら流れが変わったかもしれない」と解説しているシーンを見ることがありますが、それと似たようなことをシンサでもできそうです。審査実習生へのフィードバックの手法として最適かも。
テナコトを言ったら「審査は勝負ではないっ! フキンシンだ!」と言われるかな? でも「一手で流れが変わる」という点で将棋も審査も同じだと思うのですが。
この話から、棋譜の「検討」を連想されるとは、素晴らしいですね。
<でも「一手で流れが変わる」という点で将棋も審査も同じだと思うのですが。
名言です。さぶとん一枚!
監査マップ・・・・面白いし,有用だと思うのですが・・・・・書いてみないとコメントする資格はないのかもしれませんが・・・・・
「門岡さん,内部監査に立ち合ってるだけじゃツマンナイでしょ,監査マップ書いてくれません?」と言われたら・・・・私,ちゃんと書けるのかなぁ?自分の課・部・所なら書ける(タブン)けど・・・・他部門,さらに他社だと・・・・役に立つ監査マップ書けるかなあ?
審査員の方なら・・・・監査・審査の構造(組織に依存しないプロセスの構造?)を理解しているので・・・・書けるのでしょうか? それとも組織内部の人が書くのが前提なのでしょうか?
これは実験的な試みだそうです。今回、監査マップを書かれた山上さん(コンサルタント&審査員)も、クライアント先の内部監査でこれを実施したのは初めてとのこと。
ただ、山上さんは、この組織に1年以上おつきあいをされていて、かなり相手の業務内容は分かっておられたと思います。
<それとも組織内部の人が書くのが前提なのでしょうか?
最終的には、組織内部の人に書いてもらうのが目標のようですね。
ムラに出没されるって「うわさ」ですから、お時間を作って
ちょっと実演やってもらいましょう。
私信モード御免なさい。
<ちょっと実演やってもらいましょう。
それはいいですね!
<私信モード御免なさい。
私的ブログなので、私信モード全然問題ありません。
マップ師匠の参加手続き代行をさせていただいた村民です。
ムラの議事堂でのやりとりをマップにしていただいては、
いかがでしょう?支離滅裂になるだけかな?
確かに「なるほど」と思いました。
しかし、これを読んでいて、
なんとなくカメ(タートル図)が浮かんできたのは私だけなんだろうか?
そもそも監査員がきちんと監査戦略を立て、被監査側とともに検証しようとしたならば、監査員の頭の中で実はマップが展開されていくのではないのだろうか?
そんな気もしました。
もっとも、変身監査員だとそうはいかないだろうし、そういう環境下では、この「第三者による・・・」も有効な手段になるのでしょうね。
単なる感想ですが。
> ムラの議事堂でのやりとりをマップにしていただいては、
> いかがでしょう?支離滅裂になるだけかな?
いそいその議論の醍醐味は「あらぬ方向に進んだ議論の先に”おおっ!”という発見がある(ことがある)。」だと思います。
ということで、ムラの議事堂でのやりとりをマップにして再確認すれば「意図せずして寸止めにされていた”おおっ!”」が見つかると思いますよ。 ウチのアホ息子(小5)が好きなカーレースのTVゲームのリプレイ機能より面白そうです。
さて、そろそろ江戸へ。
やってみました。(^^)v
先日、A4の白紙を数枚持って内部環境監査に立ち会いました。
出来上がった「絵」は、まるでクモの巣のようでした。
技法で言えば、連関図とPDPC(プロセス決定計画図)をミックスしたような感じです。
この「絵」を書くことで、気付きや改善のおネタが得やすくなると思いました。一番の効果は、途中で色々と気付いたことが消えてしまわないこと(加齢による影響とは限らない)かもしれませんが。
ところが、この「絵」の棋譜をその場に居た人々が活用できるかどうかの検証はできませんでした。なにしろ私の字は、書いた本人が解読するのにも苦労するという機密性の高いものなんです。
すばらしい!
すぐに実践して、検証してみるところが、サスガ!
<この「絵」を書くことで、気付きや改善のおネタが得やすくなると思いました。一番の効果は、途中で色々と気付いたことが消えてしまわないこと(加齢による影響とは限らない)かもしれませんが。
それはなによりです。
<ところが、この「絵」の棋譜をその場に居た人々が活用できるかどうかの検証はできませんでした。なにしろ私の字は、書いた本人が解読するのにも苦労するという機密性の高いものなんです。
私も自分の取材ノートを、時間をおいてから読むと、読めないことがあります。パワポの登場によって、人前で板書する機会が減ってきていることも関係しているのではないでしょうか。
>出来上がった「絵」は、まるでクモの巣のようでした。
それだけ監査が広範囲に及んだのだと前向きに受け止め、網に思わぬ獲物が引っ掛かっていることを期待しつつ、そのクモの巣の絵の作者が調査することができればそれでヨイ、ということでしょうね。 「ほらぁ、こんなトコにこんなモノが絡まっていましたよぉ。(^^)」テナカンジで。
艦砲射撃における散布界(=斉射した砲弾が着弾した範囲)は狭い方がヨイらしいのですが、監査の質問の散布界は広い方がヨイ、ということかな?(なんとマニアックな比喩だこと。;;;^^;;;)
えーっと、11/6に尾道に行けば、この山上さんというお方にお会いできるのですか? それとも11/7? >ムラのおささん
おお! スペシャルゲストの参加表明ってこと?
『この山上さんというお方』は6日の夜に合流されて、
7日にスペシャルライブをやっていただくことになり
ました。
7日にお立ち寄りいただければよろしいかと。
という意味では、10時ごろにセッティングしておけば
よろしいでしょうか?
傍聴希望の方は、満席になっても3階の傍聴席があります
からそこだけ覗きにこられてもOKです。
スペシャルライブ楽しみです。
11月2日に名古屋で、山上さんのフツーのライブを見てきます。その前にドームでのスペシャルマッチを見に行きます。
そういえばってことでこういう手法、監査員教育とかで使ってみたらどうなんでしょう? (というか、使ってましたが(^^ゞ)
模擬監査で監査側と被監査側に別れて行う際に、監査側チームの一人が、その模擬監査の流れを模造紙とかホワイトボードに書いていくんです。
自分がやらせていたときはマップとかの高次元でもなく、とにかく監査の流れが分かるようにというものでしたから、「何を聞いた」→「どう応えた」程度のキーワードが並んでましたけど。
終わった後には、この記録から監査の流れを説明してもらいます。そして他の全員(監査側と被監査側も含んで)から、何がしかの意見なり感想なり言ってもらいます。
目的は、いわゆるプロセスアプローチで監査できているか、事前に教えた質問技法が効果的に使われているか、見るべきポイントや深さがどうか、監査したプロセスが有効か否かを判断できるかとか、そのあたりが出来ない理由や原因がどうかとか・・・についてみんなで共有して、力量の底上げを行おうというものです。
ま、ここは講師側から何がしかの誘導質問も含めた軌道修正と、見解も示さなければならない部分ではあるんですが(^^;、少なくとも過去に行った結果では、こういう手法をとることで、監査の仕方の適切性とかいろいろ説明することはできました。