Food Safety Day Japan 2013(10) 日本でのパイロット実施状況

GFSI(Global Food Safety Initiative)主催による「フード・セーフティ・デー・ジャパン 2013」の2日目午前中の前半部の最後は、「ケーススタディ 日本のグローバル・マーケット・プログラムのパイロット実施状況」をテーマに、西友の品質管理部門の徳屋邦彦氏がGFSIオリジナル版での、メトロキャッシュアンドキャリージャパンのアシスタントマネージャーの吉澤恒治氏がメトロ版での実施報告をそれぞれ行った。

tokuya2.jpg事業者側は「用語が分かりにくい」
【徳屋邦彦氏(写真)の講演】

GFSIのグローバル・マーケット・プログラムのオリジナル版とメトロ版とで運用実験を行うことを前述したが、私が報告するのは、オリジナル版での運用実験の中間報告である。

ある食品加工工場で7月から運用をスタートし、グローバル・マーケット・プログラムの初級編と初級+中級編を実施。初級編は70〜90%適合が6割、初級+中級編は数が4工場と少ないが、50%が適合だった。残念ながら、初級編、初級+中級編とも、100%適合した工場はなかった。初級編では、食品ハザード制御、製品の汚染管理の適合状況が悪かった。

問題点としては次の4つがあげられる。

  1. (事業者側のコメント)グローバル・マーケット・プログラムの用語が分かりにくため、抵抗感がある。
  2. (事業者のコメント)OEM受託やISO認証取得を意図してきたため、グローバル・マーケット・プログラムの基準構成はなじめない。
  3. (事業者のコメント)消費者苦情対応中に取り組んできたため、食品品質面が重要課題だった。
  4. (評価者側のコメント)判定基準が不明確なためアセスメントがむずかしい。

対策としては、問題点1〜3については、ワークショップの開催などを通じて、グローバル・マーケット・プログラムへの抵抗感を和らげたり、食品安全ハザード制御についてもっと議論が必要である。問題点4については、達成度合いを指標化する必要があるのではないか。

yoshizawa2.jpg日本企業の弱点はHACCP
【吉澤恒治氏(写真)の講演】

私からは、GFSIのグローバル・マーケット・プログラムのメトロ版での運用実験を報告する。オリジナル版と少しやり方が違い、メトロのPB商品を対象にしている。

監査基準は、基本的にはIFSとほぼ同じ内容である。判定レベルは4つに分けている。55工場を監査し、合格したのが41工場、合格率74.5%。このうち海外が13工場で、合格率は84.6%。13工場のうち、最も数が多いのは中国である。国内は42工場で、合格率は71.4%。

海外の工場はHACCP対応ができているため、平均スコアが高い傾向にある。国内企業はHACCPが、初級・中級両方で90%以上を適合できるのは6社である。HACCPに対応できないと、そもそもグローバル・マーケット・プログラムには対応できない。

グローバル・マーケット・プログラムのキーワードは次の5つである。

  1. QMS(これはどうしても必要)
  2. HACCP(これも避けては通れない。これは日本企業の弱点である。これができないと海外でビジネスは展開できない)
  3. 安全性の自己評価ツール(このプログラムは品質ではない、あくまで安全だけである)
  4. 無料(グローバル・マーケット・プログラムの基準類はネットで無料で入手できる)
  5. ヤル気(経営層にヤル気があるところは点数がいい)