OHSMSの規格と制度の課題

アイソス2021年12月号(11月10日発売)の特集は「OHSMSの規格と制度の課題」です。ISOがこのほど2020年末の世界の認証数を発表しましたが、その中でISO 45001認証は約19万件で、発行3年目にして早くもISO 9001、ISO 14001に続く認証規模となりました。ISO 45001の世界の認証は、今後しばらく急成長が見込まれており、日本も例外ではなく、現在多くの認証機関が労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS)審査員不足の状態であり、認証を希望する組織が順番待ちの状況も出ています。一方、ISO/TC283(労働安全衛生マネジメント)での規格開発は、ISO 45001発行後、これまでのケガへの対応からメンタル、健康、ウェルビーイングに舵を取り始めています。

本特集では、OHSMS関連の国際規格の開発状況と今後の動向について、ISO/TC283国内審議委員会委員長・向殿政男氏から話を聞くとともに、6月に発行されたISO 45003(心理社会的リスク管理)について日本規格協会の横田洸氏・古野毅氏に、同規格の解説と活用提案を執筆いただました。また、OHSMS認証の定着化と本格活用をテーマに、認証機関の労働安全衛生審査責任者である多田裕充氏(MSA)、松倉宏行氏(JQA)、斉藤信吾氏(中災防)の参加による座談会での議論を報告するとともに、株式会社明治・安全グループの西村信一氏、高城拓氏、浅川浩氏からOHSMSの取組み内容を紹介します。

巻頭記事であるViewpoint this monthでは、経済産業省基準認証政策課長・大東道郎氏から話を聞きました。製品や企業、業種が共通のレイヤーでつながるネットワーク型社会において、企業が国際マーケットで競争優位に立つには標準化戦略が不可欠になります。日本では、標準を上手く使ってビジネスで成功している企業もあるものの、より一層の国際標準の戦略的活用が企業に強く求められています。経済産業省では標準の戦略的な活用についてさまざまな政策を展開していますが、今回は企業が標準化に取り組む必要性、標準化による市場形成の行動指針となる「市場形成力指標」、企業の標準化成功事例、標準化人材育成とCSO施策などについて話を聞きました。

NEWS & REPORTSでは、坂本謙太郎氏(株式会社日本総合研究所リサーチ・コンサルティング部門シニアマネジャー)と高橋義郎氏(高橋マネジメント研究所代表)による講演内容を紹介します。この2人の講演は、経営品質・ISOマネジメントシステム・バランススコアカードなどの経営ツールの利活用を企業に向けて支援している高橋マネジメント研究所が設立10周年を迎え、関係者への感謝を込めて9月4日に開催された「設立10周年感謝セミナー」で催されたものです。

以下、12月号の目次を紹介します。

アイソス 2021年12月号(11月10日発売)

特集

OHSMSの規格と制度の課題

art 1 ISO/TC283国内審議委員会委員長インタビュー
ISO 45001は人を幸せにするためのツール
企業として取り組まない手はない
取材先 ISO/TC283国内審議委員会 委員長
明治大学 名誉教授 向殿 政男 氏

Part 2 労働安全衛生審査責任者によるZoom座談会
労働安全衛生マネジメントシステムの
定着化と本格活用に向けて
座談会出席者
株式会社マネジメントシステム評価センター 審査部 部長 多田 裕充 氏
一般財団法人日本品質保証機構 労働安全衛生審査グループ長 松倉 宏行 氏
中央労働災害防止協会 安全衛生マネジメントシステム審査センター 所長 斉藤 信吾 氏

Part 3 ISO 45001認証取得事例
ISO 45001認証の全事業所取得を目指す
課題は本質安全化・健康増進・監査機能の融合化
取材先 株式会社明治 品質本部品質保証部 安全グループ
安全グループ長 西村 信一 氏/高城 拓 氏/浅川 浩 氏

Part 4 ISO 45003:2021が6月に発行
ISO初のメンタルヘルスに関する指針
職場の心理社会的な危険源を特定
執筆 一般財団法人日本規格協会 システム系規格開発ユニット
国際連携推進チーム 横田 洸
社会システム系規格チーム 古野 毅

NEWS & REPORTS

高橋マネジメント研究所 設立10周年感謝セミナー
坂本氏 : 試行錯誤と標準化を両立させる仕組みが必要
高橋氏 : 経営品質+ISO+BSCによる全体最適経営に取り組む
講演者:
坂本 謙太郎 氏(株式会社日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門 シニアマネジャー)
高橋 義郎 氏(高橋マネジメント研究所 代表/学校法人桜美林学園 顧問)

連載

■Viewpoint this month

リレー連載 第116回
国際マーケットでの競争優位には標準化戦略が不可欠
標準化の行動指針として「市場形成力指標」を公表
取材先/経済産業省 産業技術環境局 基準認証政策課長 大東 道郎 氏

■Insight

データサイエンスへのアプローチ
連載 第3回 産業界におけるデータサイエンス活用(事例:要因解析と予測、管理)
執筆/大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 統計数理研究所 所長 椿 広計

日本が取り組むべきデータ流通の制度化と標準化
連載 第3回 日本が提案するデータ取引市場の仕組み及び制度(データ取引市場運営事業者)
執筆/一般社団法人データ社会推進協議会(DSA) 代表理事・事務局長 眞野 浩

多様性工学へのいざない
連載 第3回 無駄な多様性をふるい落とす深層学習
執筆/国立研究開発法人産業技術総合研究所 副連携室長 中田 亨

■新しい国際規格

ISO 37000:2021
グッドガバナンスのための
初の国際ベンチマークガイダンス

■QCツール

QC手法 7のヒミツ
連載 第15回 概念間の関係の解析・理解(2) 因果構造の理解
執筆/東京大学名誉教授 飯塚 悦功

■内部監査

遠隔内部監査の効果的・効率的手法
連載 第3回 遠隔監査の準備
執筆/有限会社福丸マネジメントテクノ 代表取締役 福丸 典芳

■食品安全

HACCP制度の本格実施で加速するJFS規格の普及
連載 第3回 JFS規格適合証明取得事例紹介
執筆/一般財団法人食品安全マネジメント協会 事務局長 小谷 雅紀

■環境ファイナンス

グリーン債の国際規格化動向
連載 第3回 ISO 14030-2 グリーンローン規格の紹介 
執筆/一般社団法人産業環境管理協会 環境管理部門 国際協力・技術センター 所長 大野 香代

■標準活用

中部大学ESDエコマネーチーム卒業生からの報告 大学で学んだ標準化の知見を企業で活かす
連載 第3回 小水力発電 × SDGs
執筆/有限会社角野製作所 新事業グループ 角野 裕哉

■マンガ

マンガで学ぶ ISO 9001
連載 第3回 リスクと機会に対応した計画と人材・インフラストラクチャの管理
執筆/株式会社グローバルテクノ・国際システム審査株式会社 代表取締役 砂川 清榮

And more

目次
ISO leading-edge trend
書評
編集後記/次号予告/広告目次 etc.

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