速報 QMS/EMS認証件数(08.06)

日本適合性認定協会(JAB)は本日、「品質・環境マネジメントシステム認証組織件数」をプレスリリースとして発表しました。これは、JABが3カ月ごとに実施している認証機関向けアンケート調査の結果をまとめたもので、今回は2008年6月末現在の集計結果です。

これによると、日本の全認証組織件数(JAB適合組織件数以外も含む)は、品質マネジメントシステム(QMS)で53,447件、環境マネジメントシステム(EMS)で25,474件です。

このアンケートの特長は、JABが調査しているとはいえ、JABから認定され ていない認証機関の認証件数もカウントされていることです。JAB適合組織の件数だけでは、日本の認証の実態は正確にはつかめません。というのも、JAB 適合以外の認証件数は、QMSで約1万件、EMSで約5千件もあるからです。

認証件数上位20機関を、件数の多い順に表にまとめてみました。表の中の「全認証組織件数」というのは、JAB適合組織以外の認証件数も含んでいます。「JAB適合組織件数(国内)」は、国内のJAB適合組織件数のみです。

 

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第4回是正処置WS

審査道無風流(家元・日吉信晴)主催の「第4回是正処置ワークショップ」に参加しました。このワークショップは8月8日午後に東京都葛飾区にある、アムシック(コンサルタント会社)の事務所で開催されたものです。

主催者を含め、参加者は7人(家元さん、師範さん、道友さん、GAIさん、ファイアードマンさん、エビデンスさん、中尾)。素人の私を除くと、半分はコンサルタントで、半分は企業のマネジメントシステム関係者です。

ワークショップは2部構成になっており、前半は事例研究、後半は「是正処置をやる人の力量」をテーマとした、ブレーン・ライティング+KJ法を使っての実習でした。

 

webDOUIU_FAIR.jpg事例研究では、ある会社で実際に起こった品質トラブルに ついての是正処置を参加者みんなで考えました。

顧客がある製品を注文し、それを営業担当が受け、自社の工場担当者に伝え、工場から製品が出荷されたわけですが、顧客に届いた製品は注文とは異なっていました。

 

webTOMO_NOBU_GAI.jpg何が原因で誤出荷が起こったのか。それを探るため、「誤った製品が顧客に納品された」という事象を出発点として、顧客から引き合いがあった時点まで、業務フローを順番にさかのぼってみました。限られた情報の中で、業務フローから、「どうもこのプロセスがグレーゾーンだ」というのを、参加されたみなさんは、知 恵を出し合ってあぶり出しました。それは見事なものでした。

後半部のテーマは「是正処置をやる人に必要な力量」。まず、参加者は、ポストイットを30枚ずつ渡され、「是正処置をやる人に必要な、知っていなければならないこと、できなければならないこと、とらなければならない態度」について思いついたことを、1枚1分のスピードで書かされます。いわゆるブレーン・ライティングです。私の場合、20枚目以降になると、コト バが出てこなくて、頭がキリモミ状態でした。

さて、上記の方法で書かれ たカードは、KJ法で整理していきます。まず、参加者の1人が代表して、自分が書いた30枚のカードを1枚ずつ順番に 読み上げながら、大きな模造紙に貼り付けていきます。他の参加者は、読み上げられた内容とまったく同じか類似したものが自分 の書いたカードの中にあったら、そのカードを、読み上げられたカード のすぐそばに貼り付けます。同様のやり方で、他の参加者も読み上げていくと、最後には、模造紙の上に、カードが集まったグループがいくつかできあがります。

今度は、それらのグループにタイトル(KJ法の考案者である川喜田二郎氏は、このようなグループに付けるタイトルのことを「表札」と呼んでいます)を付けていきます。集められたカードの総称を、高校生でもわかるようなやさしいコトバで書きます。今回の作業では、「是正処置をやる人に必要な力量」として13のグループができましたから、13種類のタイトルを付けました。それは、「説明力」「データ分析」「事実をつかむ、思い込みに頼らない」「組織・仕事の流れ、キーマン」「効果確認」「相手のことを知る」「時間管理」「専門知識、固有技術、法規」「データ入手、情報入手」「リーダーシップ」「是正処置の必要性」「相手をその気によいしょできる」「人の話を聞く」です。

ここまで作業をやって、時間になりました。次回は、これらの表札をどのように展開していくかについて、みんなで考えていく予定です。

webparty.jpgワークショップが終わると、同じ場所で引き続き懇親会が開催されました。沸騰した頭をビールでクールダウンする時間です。会場はキッチン付きの事務所なので、主催者側の手作り料理と、参加者持ち込みのアルコールで、楽しい時間を過ごさせていただきました。この心なごむ雰囲気がいいですね。私は終電で帰りましたが、参加者のほとんどは泊まり込みのご様子でした。

なぜトヨタは成熟審査なのか

トヨタ自動車は、2007年に高岡工場でISO 14001の成熟審査を受け、
続いて下山工場でもトライする予定です。
成熟審査を受けるには、受審側に、
第三者審査を部分的に代替できるだけの内部監査力が必要です。
では、内部監査力のある組織はすべて、
成熟審査を受けるようになるかというと、全然そうではありません。
むしろほとんどの組織は、内部監査力があっても、
成熟審査は受けないでしょう。
では、成熟審査を受ける組織というのは、
どういう組織なのでしょうか。

toyota01web.jpg「認証を取ることを第一目的としない。取り組みの体質強化を第一目的とする」

今から9年前、トヨタ自動車環境部担当部長(当時の役職)・岩井哲郎さんは、このように述べています。
このコトバ、簡単な表現に見えますが、ある時期を迎えたとき、非常に重くなります。

それは、認証が体質強化につながらなくなったときです。
目的に厳格であるなら、そのような認証は辞退しなければなりません。
ところが、ちょうどよいタイミングで、
成熟審査という新たな制度が登場しました。
これなら、体質強化につながりそうです。

かつてトヨタ自動車は、
ISO9001の認証をある工場で取得したことがあります。
そして、役に立たないと判断するや否や、
すぐにその認証を取りやめました。
そういう前歴がある会社ですから、成熟審査が用意されていなければ、
ISO14001の認証を本当にやめていたかもしれません。

認証取得の前に、体質強化が第一の目的としてあること、
これがトヨタ自動車が成熟審査を受けた理由の1つでしょう。

岩井さんはまた、次のように述べています。
「継続的改善については、

 

社内環境監査で自ら評価できる力を持つことが重要である」

内部監査を通じて自己評価がきちんとできるようになれば、
自律的に継続的改善を回せますから、
認証取得を第一義に考えなくても大丈夫なわけです。
そうなると、組織としては、
内部監査を通じて、
自己評価がきちんとできているかに焦点を絞った審査、
すなわち成熟審査を希望するようになります。
内部監査力を第三者の目で評価してほしい、
これがトヨタ自動車が成熟審査を受けた2つ目の理由でしょう。

岩井さんが9年前に執筆された、
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アイソスへの寄稿文の中には、
なぜトヨタ自動車が今、成熟審査に取り組んでいるのか、その鍵となるコトバが、随所に出てきます。
以下、その全文(アイソス1999年1月号、48ページ)を紹介します。
ぜひ、読んでみてください。
(写真はいずれも1996年1月にトヨタ自動車高岡工場で実施されたISO/DIS14001審査)

 

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システムの考え方・運用次第でパフォーマンスは向上する 
─環境マネジメントシステムとパフォーマンス─

株式会社トヨタ自動車 環境部 担当部長 岩井哲郎

1 EMSとは

EMS(環 境マネジメントシステム)は、MS(経営システム)の一つであり、あきらかに経営のツールである。ツールである以上万能でもなく、使う人達の考え方で大き く結果が変わってくる。EMSだけでは意見を述べるにも際限がなくなるので、ISO14001のEMSを念頭に考えてみる。

キーワードで EMSの特徴をとらえると、トップダウン、全員参加、透明性、継続的改善などが浮かんでくる。特に継続的改善については、社内環境監査で自ら評価できる力 を持つことが重要である。当社では導入にあたって、「認証を取ることを第一目的としない。取り組みの体質強化を第一目的とする」ことで活動をスタートさせ た。EMSそのものは、経験から息切れを起こさないためにも無理はしない、スリムで合理的なシステムをできるだけ考えることが望ましいと思う。

EMS 構築について、企業によっては外圧で動く、日本社会の特徴を有するところもあると思われる。環境負荷の継続的改善などという考えは全くなく、ビジネス上外 部認証を取得するというケースであろう。きっかけはそれでも良い。サーベイランスで微々たることでも継続的改善に必ずつながると思う。

ただし、登録の範囲設定を狭め、できるだけ簡単に認証を取得する姿勢、行動に対しては、問題提起をしていく必要がある。

2 EMS導入の効果

EMSを導入することによって色々な効果が期待できる、あるいは得られることは事実である。共通的にみても次のようなことがよくいわれる。

・ 法律遵守の確保
・ 環境リスクの低減
・ 業務達成の効率化(効率的な組織構成、透明性の高い作業プロセス)
・ コストの最適化(コスト低減)
・ 従業員満足度の向上(意識の向上)
・ 責任内容の明確化

これらは間違いなくパフォーマンス向上に対してプラス面の効果を持っている。EMSを導入(ISO14001の外部認証を取得)して、パフォーマンス向上につながらないということは絶対にないと言える。

3 パフォーマンスの向上

では、必ずパフォーマンスが向上するかといえば、そう簡単あるいは単純なものではない。パフォーマンス向上を考えるにあたりキーワードでとらえると、

・定量的な環境影響評価ができるか
(例えばNOx、SOxあるいは化学物質をいくら削減したら、
地域にどれくらい効果が上がるか)
・コストパフォーマンスがあるか
(コストアップになる対策では、
ビジネスチャンスにでもつながらない限り、
他社との公平性からみて長続きしない)
・その結果を社会がどう評価するか(関心が高いか)

等があると思う。

パフォーマンス向上の推進力として、効果があるのはやはり情報公開(透明性、公平性を高める)の進展であろう。自主的にあるいは社会制度としてであろうと、特に日本社会では、環境のパフォーマンスを公表する、せざるを得ないというのは、規制以外で最大の推進力であろう。

また、LCA的な評価の為の手法の確立、データの充実、計測の充実、トータル評価手法の充実等々、EMS導入の考え方、運用いかんによらず、必ずパフォーマンス向上につながっていくツール類の発展・充実も、大変重要な課題である。

当 社の社内環境監査も、EMSの構築・運用中心から、パフォーマンスの向上中心の内容へ軸足を移していこうとしている。いずれにしてもEMSは人間が運用す るものである。「仏作って魂入れず」では本末転倒も甚だしくなる。特に「経営トップの意識の持ち方、導入の考え方一つで、パフォーマンスの向上は大きく変 わる」ということが避けられないことも、大変重要なポイントと思う。

ISOは国際規格であり、EMSの構築、円滑な運用といった、外部認 証内容の国際的整合性が極めて大事である。日本独特のやり方にならないよう、パフォーマンス向上論も含め、グローバルなベンチマーキングが大変重要である。ISO14001取り組みの世界の先進国である日本が、パフォーマンス向上という本質に対して結果を出し、世界へ発信していく大きな責務を与えられて いる、と言えるのではないだろうか。▼

ごあいさつと自己紹介

本日より、ブログを始めます。
中尾優作です。
最初に自己紹介をしておきます。

大学を卒業して、地方の新聞社や業界新聞に12年間勤めた後、独立。
個人で「季刊システム規格」という、
ISOマネジメントシステムの専門誌を発行。
その2年後に法人化し、 株式会社システム規格社を設立。
同時に「季刊システム規格」を「月刊アイソス」に改称し月刊化。
同雑誌の創刊から 第100号(2006年3月号)まで編集長。

現在は発行責任者という立場で、雑誌編集を担当しています。本ブログの内容は 、中尾優作個人のISOマネジメントシステムに関する編集活動、考え方 などが中心になると思いますが、そのほか日常生活で「オモシロイ!」と思ったことも、どんどん書いていくつもりです。
では、なにゆえ、ブログを始める気になったのか。
それは、ある本に載っていた、ある話がきっかけです。
それについては、次回以降でご紹介しましょう。

では、今日からどうぞよろしくお願いします。