審査道無風流(家元・日吉信晴)主催の「第4回是正処置ワークショップ」に参加しました。このワークショップは8月8日午後に東京都葛飾区にある、アムシック(コンサルタント会社)の事務所で開催されたものです。
主催者を含め、参加者は7人(家元さん、師範さん、道友さん、GAIさん、ファイアードマンさん、エビデンスさん、中尾)。素人の私を除くと、半分はコンサルタントで、半分は企業のマネジメントシステム関係者です。
ワークショップは2部構成になっており、前半は事例研究、後半は「是正処置をやる人の力量」をテーマとした、ブレーン・ライティング+KJ法を使っての実習でした。
事例研究では、ある会社で実際に起こった品質トラブルに ついての是正処置を参加者みんなで考えました。
顧客がある製品を注文し、それを営業担当が受け、自社の工場担当者に伝え、工場から製品が出荷されたわけですが、顧客に届いた製品は注文とは異なっていました。
何が原因で誤出荷が起こったのか。それを探るため、「誤った製品が顧客に納品された」という事象を出発点として、顧客から引き合いがあった時点まで、業務フローを順番にさかのぼってみました。限られた情報の中で、業務フローから、「どうもこのプロセスがグレーゾーンだ」というのを、参加されたみなさんは、知 恵を出し合ってあぶり出しました。それは見事なものでした。
後半部のテーマは「是正処置をやる人に必要な力量」。まず、参加者は、ポストイットを30枚ずつ渡され、「是正処置をやる人に必要な、知っていなければならないこと、できなければならないこと、とらなければならない態度」について思いついたことを、1枚1分のスピードで書かされます。いわゆるブレーン・ライティングです。私の場合、20枚目以降になると、コト バが出てこなくて、頭がキリモミ状態でした。
さて、上記の方法で書かれ たカードは、KJ法で整理していきます。まず、参加者の1人が代表して、自分が書いた30枚のカードを1枚ずつ順番に 読み上げながら、大きな模造紙に貼り付けていきます。他の参加者は、読み上げられた内容とまったく同じか類似したものが自分 の書いたカードの中にあったら、そのカードを、読み上げられたカード のすぐそばに貼り付けます。同様のやり方で、他の参加者も読み上げていくと、最後には、模造紙の上に、カードが集まったグループがいくつかできあがります。
今度は、それらのグループにタイトル(KJ法の考案者である川喜田二郎氏は、このようなグループに付けるタイトルのことを「表札」と呼んでいます)を付けていきます。集められたカードの総称を、高校生でもわかるようなやさしいコトバで書きます。今回の作業では、「是正処置をやる人に必要な力量」として13のグループができましたから、13種類のタイトルを付けました。それは、「説明力」「データ分析」「事実をつかむ、思い込みに頼らない」「組織・仕事の流れ、キーマン」「効果確認」「相手のことを知る」「時間管理」「専門知識、固有技術、法規」「データ入手、情報入手」「リーダーシップ」「是正処置の必要性」「相手をその気によいしょできる」「人の話を聞く」です。
ここまで作業をやって、時間になりました。次回は、これらの表札をどのように展開していくかについて、みんなで考えていく予定です。
ワークショップが終わると、同じ場所で引き続き懇親会が開催されました。沸騰した頭をビールでクールダウンする時間です。会場はキッチン付きの事務所なので、主催者側の手作り料理と、参加者持ち込みのアルコールで、楽しい時間を過ごさせていただきました。この心なごむ雰囲気がいいですね。私は終電で帰りましたが、参加者のほとんどは泊まり込みのご様子でした。