月刊誌とWebって、どうも相性がよくないな、
と常々思っていました。
そんな折、梅田望夫/茂木健一郎(写真)両氏の対談本である「フューチャリスト宣言」を読んでいると、梅田さんが、自分の著作については、自分のブログにたくさんのコメントがくるが、雑誌や新聞に自分の記事が掲載されても、ブログには一切書き込みがこない、これはどうしたことだろうか、と茂木さんに問いかける話が出てきました。
これについて2人は次のように語っています。
茂木 本というのはリアル世界だけの存在だと思われがちだけれども、ネットの海、情報の海に、空から降りてくるときに、錨をおろすリファレンス・ポイントになる んですね。雑誌は、そういう錨をおろすポイントになっていない。(中略)ネットがあまりに日進月歩で動いていくから、固定した情報というものをほしがって いるのかもしれない。そこで本というものがある種の役割を担っていく、ということはありえますね。
梅田 フローとして流れていく雑誌・新聞というのは、わざわざ錨には使わないということか。
ウェブ時代になっても、本には独自の存在価値がありますが、雑誌は情報媒体として中途半端な存在になってきているのかもしれません。相性がよくないな、という感触の原因はこれだったのでしょう。
そして、今日です。
smashmedia が「ハブメディア(Hubmedia)・プロジェクト始動」を提起しました。これは書籍のウェブ化を実現するフォーマットの提案で、「OpenX MasterGuide(マスターガイド)」や「わが家の晩ごはん」 ですでに実験が開始されています。この記事で一番感動したのは、貼り付けてあるスライド資料「What is HubMedia 〜出版の革新はここから〜」に出てくる「ハブメディアは書籍、ブログメディアは雑誌」というフレーズでした。ハブメディアというのは、形はWebなんです が、最終的には紙媒体の良書を小ロットでもほしい人に届けるための流通システムなんですね。
最終的には、人々の思考のリファレンス・ポイントになるようなものを提供すること。
雑誌とブログを続けながら、それを目指していきたいと思います。
紹介ありがとうございます。
ご指摘の通り、これは書籍を殺さないためと言いますか、今の出版事情はいいコンテンツを見逃していると思っているのでそれを救済したいと思って始めました。
リファレンス・ポイントはまさにハブ(Hub)なので、同じゴールを見据えていますね。今後ともよろしくお願いいたします。